午後9時前、窓の外でオレンジ色の火がチラチラしてるのに気がつきました。マンション東側の国道の向こうは田んぼや畑が多く、ときどき野焼きしてるので、「こんな時間に?」と思ったら、建物が!
慌ててベランダに出たら、階下の人も気がついたらしく、「おい、火事や!」という声。窓の傍の2段ケージの上にいたパセリも、黒目を大きくして見てました。
通報は・・・と思いましたが、夜目に慣れてきた目で見たら、現場横の細い道に複数の人の姿が見えたので、通報済みと思って消防車を待つこと約10分。
その間にもずいぶん燃えて、消火が始まった後も、炎と煙が隣接するムラ(地元の年配の方は、民家が集まってる場所をそういう)に及びそうな勢いだったので、一時はどうなることかと思いました。
現場は、某建設会社の木炭を作る作業所で、地元テレビのニュースでは、けが人などはなかったとのこと。
ベランダから見える看板に、大きく「木炭」「健康住宅」の文字がありましたが、火が消えた今も煙は止まず、隣接するムラのほうに流れています。
火事で思い出すのは、高校入学の直前に、自宅(当時)の向かいの家が全焼したこと。
昔から遅寝だった私は、深夜ラジオを聴きながら、入学前の課題をやってましたが、向かいの家のおじさんが「S子ー、S子ー」と言ってるのが聞こえました。
少しすると静かになったので、また課題をしてたら、ズシンという振動がして、寝ていた父が「地震か?」と言ってるのが聞こえた後、向かいに面した窓の外がオレンジ色になり、玄関から覗くと、その家の窓から火が上がってました。
父母と弟を起こし、消防署に電話して家の外に出ると、すぐに近所の人たちも出てきて、父や近所のおじさんたちがホースやバケツで水をかけ始めましたが、熱くて近寄れないので、届くのはその家のブロック塀くらいまで。
母や近所のおばさんたちは、「Y山さーん!」「○○ちゃーん!」と呼びかけてましたが、そのうち消防車が何台も来たので、一時撤退。
「あの家の人たちは?」と騒いでいたら、3人の子どもは外に飛び出して無事なのが確認され、その後、S子というおばさんの不在と火事の前に叫んでいたおじさんが亡くなったことがわかりました。
うちの被害は、最初の爆風でガラスが少し割れ落ちたくらいでしたが、斜め向かいの1軒は半焼で住めなくなり、その2軒の燃え跡は、取り壊された後もいろんなものが炭化した嫌な臭いがしました。
ここまで書いたので書きますが、当時もう1つ怖かった、というか不思議だったのは、亡くなったおじさんの「S子ー、S子ー」という声を、近所の誰も聞いていなかったこと。
私しか起きてなかった、といえばそれだけのことですが、母はそのことと私たちが前日に見たものを結び付けてました。
前日の夕方、たまたま母と家の前にいたとき、向かいの家の軒先に直径20cmくらいの乳白色の球体が漂ってるのに気づき、「ねえ、あれ、何?」と指さすと、母は最初「何が?」と気づかず。「あれ、あれ」と言いながら、母の手を取ってその方向を指すと、「・・・昔見た人魂みたい」。
球体は、その家から2軒隣の家のあたりまでふわふわと移動した後、斜め上にスーっと動いて消えました。
火事のあと、母が「若い頃にも見たけど、あんな色だったかなあ。あなたが見せてくれたの、Y山のおじさんの?」と言うので、「そんな非科学的なことないよ。あったって生前には出ないよ」と言いましたが、「でも、叫んでたっていうの、誰も聞いてないよ」と自論を譲らず。
仕方ないので、「悲しそうな声だったけど、どうしようもなかったし。もう、この話、人にしないでよ」と言うと、「言わない。変だと思われるから」と言ってましたが、球体の正体は不明なまま。
母の母は神社の家の娘ですが、私にとって球体を見たことは、人魂であれ何であれ、不思議なものを見たというだけ。
それよりも、3人の子どもたちも近所の人たちも寝ている時間に、ガスを爆発させて火事を起こしたりもする人の感情の怖さが、夜目に燃える炎の色とダブって、しばらく消えませんでした。
今夜の火事の原因は、作業所の火の不始末かどうかまだわかりませんが、隣接するムラの方々はずいぶん怖い思いをされたと思います。私も、久しぶりに向かいの家の火事やその後の嫌な臭いを思い出し、改めて「火の用心」と思いました。
最近のコメント