一乗谷にて。
昨日、「天気もいいし、どこか行く?」と、散策相手と一乗谷に行ってきました
まず立ち寄ったのは、三連水車が目印の「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」。
今月初め、展示中心だった「水の駅」が「道の駅」としてリニューアルオープンし、ふれあい情報館の中に特産品販売コーナーと軽食コーナーができました。
ここで、昼食におろしそばと天ぷら盛り合わせ、デザートにそばだんごを
続いて、写真の一乗川沿いにのびる一乗谷朝倉氏遺跡へ。
一乗谷朝倉氏遺跡は、朝倉氏5代103年間にわたる中世日本有数の城下町と山城の遺跡(最盛期の人口は1万人)ですが、織田信長に滅ぼされた後は長く田畑の下に埋もれ、発掘が開始されたのは1967年。
諏訪館跡庭園がある高台。
第5代当主朝倉義景館跡の唐門(門は江戸時代のもの)。
駐車場からここまで、ちょうど来合わせていたガイドさん付きの団体客の後ろを歩きましたが、団体客はここで引き返し、私たちも前に上ったことがある高台はパスして復原町並へ。
復原町並は、当時の町並の一部を約200mにわたって復原したエリア。
発掘された石垣や礎石はそのまま使い、柱や壁、建具なども出土した遺物に基づいて再現されています。
敷地が広い武家屋敷。
復原町並を出たあとは、さらに一乗川に沿って移動し、一乗滝へ
ここで「燕返し」をあみ出したとか、そうでないとか、佐々木小次郎の像が迎えてくれます。
落差12mのわりに水流が豪快、滝壺の傍に下りてマイナスイオンを浴びてきました。
ところで、一乗谷といえば、ソフトバンクのCMも手がける佐々木宏氏に依頼し、県が2011年に観光キャンペーンを行ったところ。
そのときの交通広告(ポスター)のコピーが、
京都にはない。
金沢にもない。
あまりになにもない。
だから面白い。
特別史跡・特別名勝・重要文化財と、国の三重指定を受けているところは全国的にも数ヵ所しかないらしいのに、知られていない一乗谷朝倉氏遺跡。
私も1998年にこちらに転居するまで知りませんでしたが、年末に東京から歴史好きな友人が遊びに来たので、
「一乗谷朝倉氏遺跡って行ってみる? 私も初めてなんだけど」
と雪の中を出かけたときは、復原町並は年末年始の休場、出入り自由の館跡は貸し切り状態で、あるものといえばそれだけの礎石に沿って歩きながら、
「ここは座敷?」
「ここは水屋?」
などと言い、湯殿跡庭園のある高台に上って、
「湯殿跡って名前がいいね」
「石と池しかないけどね」
そして最後に、
「何にもないけどいいよね」
「何にもないからいいよね」
と話したものでした。
先のコピーと同年、ソフトバンクのCMにも白戸家の故郷として登場しましたが、派手なものが「なにもない」のは今も同じ。
「なにもない」のでかえって想像がふくらむ点は、同じく中世日本有数の宗教都市遺跡である平泉寺白山神社と似ていて、どちらもお気に入りのスポットです
コメント
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いいところですね~~。戦国の昔はたいへんだったのでしょうか。
静かなたたずまいに、かえって胸をうたれます。
投稿: こはる | 2015年4月22日 (水) 16:39
>こはるさん
103年の歴史は短くないのに、信長勢の焼き討ちで灰燼に帰したあと長く放置、田畑に埋もれていたのが、遺跡としてはかえってよかったのでしょうね。
観光バスも来ますが、大きな土産物店などはなく、庭園のある高台(60m)や山城(443m)に上るには、脚力も時間も必要なので、館跡や復原町並で説明を受けて引き返すよう。
この谷にかつて1万人が暮らしていたと思うと、時間と空間が普段とは違って感じられます。
投稿: まちこ | 2015年4月22日 (水) 22:11