出会いからこれまで
クロエとクレア姉妹との出会いは、昨年11月20日の地方紙の告知欄がきっかけでした。
「2ヵ月の子猫です」というタイトルで、連絡先と写真が載っていて、マロウをよく知る散策相手も、
「この子たちだってかわいいと思うよ。電話してみたら?」
と言うので、
「もう決まってるかも。決まってなくてもダメかもしれないよ」
「聞くだけ聞いてみたら?」
「じゃあ、あとで」
迷いながらかけてみると、とても気さくなご年配の女性が、
「ヨモと黒がいます。今も電話があって、オスが欲しいって人が日曜に来なるんですけど、うちは○○亭って店やってますで、夜10時までならいつでも見に来てください」
ヨモというのは方言で、キジトラやサバトラを指すらしく、
「写真の左のサバトラの子が男の子ですか?」
「このヨモちゃんがオス」
「クロちゃんは女の子ですか?」
「この子はメス。ほかにもう1匹ヨモの子がいます」
「その子もサバトラですか? 女の子?」
「この子もヨモやけど、色は違うねえ」
「今日、仕事が終わったあと、伺ってもいいですか?」
里親募集サイトでは、マロウが逝った頃に生まれたグレーの子猫がいても遠方で、連絡しても断られたり、すでに決まっていたり。
「就活じゃないけど、何度もダメで疲弊するの、わかる気がする。一生懸命メールしても、無理なんだね」
とこぼしていた矢先のことで、毛色や性別は違っても、会ってみれば、マロウが「ぼくだよ」とか「ぼくの妹にして」とか教えてくれるかも・・・という思いもありました。
行ってみると、お店は昔ながらの小さな大衆食堂で、奥の私用の和室に置かれたケージに子猫たちがいました。
電話では詳しい自己紹介はしていなかったので、改めてこちらの状況やパセリ、マロウのことを話し、サバトラの子は先約があったので、まずはクロちゃんを膝に抱かせてもらって、
「いい子ですね。ゴロゴロいってます」
「猫好きな人はわかるんやね」
「お腹のここだけ白い毛が生えてますね」
「ほやって」
「写真に載ってなかった子は、あの子ですか?」
「嫌がって撮らせんかったんやって」
「あの子も抱かせてもらっていいですか?」
「首の後ろつまんだら、おとなしなるでの」と言われながら、そのキジトラの子を膝に抱かせてもらうと、
「あら、おとなししてるわ」
「この子のほうが小さいですね。警戒心が強い子ですか? 固まってますけど、爪も歯も立ててない」
母猫は自宅の子だというので、誕生日を聞くと、
「9月9日か10日やったかな」
「じゃあ、マロウが亡くなった数日後に生まれたんですね」
「亡くなるとつらいわの。この子らのきょうだいも1匹亡くなったんやって」
「元気に大きくならないとね」
その後、「どちらの子でも」と言われ、クロちゃんのお腹の白い毛が何かのしるしのようで、キジちゃんも子猫の頃のパセリを思わせる警戒心の強さだったので、
「マロウはもっと小さくて兄弟もいたのに、マロウだけもらって来てしまって。一緒のほうが元気に育つかもしれませんし、よかったら、クロちゃんもキジちゃんも」
お古のキャリーをいただいて車に乗せて帰るときも、一緒だからか、ほとんどなかず。
家に着いてキャリーが出し、ケージにトイレをセットして、落ち着くまでと思って入れましたが、すぐに出たがったので室内を探検させると、クロちゃんが行くところにキジちゃんがついていく様子。
しばらくして子猫用のウェットフードを出すと、クロちゃんは無言で旺盛に、キジちゃんは「ンマンマ、ンマ、ンマンマ」と言いながら完食。
「おいしい? そのごはんはね、マロウちゃんも好きだったんだよ」
でも、呼べば初日からこちらに来たマロウと違って、子猫同士の関心が強く、なでればゴロゴロいうクロちゃんも、「ニャー」はキジちゃんにしか言わず、「シャーッ」の形に口を開けて声は出さないキジちゃんは、ずっとクロちゃんを後追い。
なので、夜はパセリの猫ベッドをケージに入れて、扉を開けたまま寝かせましたが、翌朝には寝室のマッサージチェアに敷いた猫用毛布の上にいて、猫ベッドにはおしっこの跡がありました
おしっこされた猫ベッド(丸い入口のあるキューブタイプで、畳んで使うこともできる)は、その後も洗濯して出すたびに喜んで出たり入ったりしましたが、最後はクレアがトイレにするので、とうとう捨てることに・・・。
21日は仕事は休みでしたが、一晩経って慣れたのか、リビングで何度も運動会。
キジちゃんの「ニャー」も聞けて、なでるとゴロゴロ言うようになりました。
22日には、クロちゃんにクロエ、キジちゃんにクレアと命名しましたが、ネズミのおもちゃを出すと、クロエの遊び方がマロウそっくりなので、
「クロエ、猫は魂の動物だから、マロウちゃんが来たら、クロエの体にマロウちゃんも入れてあげてね」
「猫は魂の動物」というのは、河合隼雄『猫だましい』を読んで思ったことです。
この日は私のベッドの枕元で寝ることにしたようで、
「ミンちゃんもパーちゃんも、マロウちゃんも、そこで寝てたんだよ。毛布敷くから、ちょっと待って。それから、あとで私もそこで寝てもいいかな」
以来、ベッドで一緒に寝るようになり、今は猫用毛布の下にペットヒーターも入れています。
21年前の6月、姉妹ではないミントとパセリを同時に迎えたときも、初めは子猫同士で行動することが多く、私と一緒にリビングにいても、片方が先に別の部屋に行き、「ニャー」(こっちで遊ぼう)と呼ぶと、もう片方もそっちへ行ってしまうということがよくありました。
この子たちも同様で、静かだなあ・・・と思って寝室に見に行くと、ベッドにもマッサージチェアの上にも寝姿がなく、ふと本棚に目をやると、「見つかっちゃった」という顔をしたり。
片方がケージに上ると、もう片方も上ったり。
食べるときも一緒ですが、
寝るときも一緒。
テレビを見るときも一緒。
このときは、録画してあった「岩合光昭の世界ネコ歩き mini」を4本続けて飽きずに見ていましたが、クレアはフィギュアスケートを見るのも好きで、見ながらなぜか後ろ足だけで立つ練習を何度もしていました。
トイレまで一緒・・・じゃなくてもいいのに。
迎えて1週間ほど経った頃から、子猫同士の関心のほかに、私に関心をもって行動することが増え、キッチンに立てば、カウンターに上って何をするのか見ていたり、寝室に向かうと、「そっちで寝る」とついて来たり、なにかと私の様子を見に来るようになりました。
誕生日は、マロウが逝った日に近い9月9日のほうにしたので、あと4日で4ヵ月齢。
写真のマロウは成長しませんが、この子たちに「マロウちゃんは偉かったんだよ」と話していると、マロウも一緒に「お兄ちゃん」として成長するよう。
2005年2月に逝ったミントと昨年4月に逝ったパセリも、「わたしたちの小さかった頃みたい」と思ってくれている・・・そんな気がします。
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私も最初の猫は新聞でした。
ここ最近は敷地内ですけどね(笑)
しっかりした顔立ちの子達。
元気に育ってますね~
写真見ながら笑みがこぼれますよ。
投稿: のらデジ | 2015年1月 5日 (月) 07:10
ずっと更新がないので、まちこさんのことずっと心配でよほどコメントを前の記事に残そうか、、、いや返って辛いことを思い出させるのではとずっと気にかかって覗きに来てました。
良い子達に出会えましたね。
姉妹ならまちこさんがお仕事でお留守番の間もさみしくないですね。 2匹ともいい顔してますね。
クレアちゃんはサバトラさん?! ミュウもこの色のサバトラだったので小さいころのミュウを思い出しました。
投稿: レオママ | 2015年1月 5日 (月) 18:08
>のらデジさん
地方紙には、こういうスペースがあってよいですね。
毛色・目色だけでなく、顔もあまり似てませんが、
一緒に遊んだり、寝たりしているのを見ると、
「仲良きことは美しきかな」と思います。
>レオママさん
ご心配おかけしてしまいました・・・。
クレアは、地色が薄いベージュのキジトラ(胴体は縞でなくて斑点)です。
子猫はいろいろなことを思い出させてくれますね。
マロウが元気だった頃、ミントとパセリが小さかった頃、
普通に遊んだり、食べたり、寝たりしているだけでも、
大切な思い出と「いま」が共存しているのを感じます。
投稿: まちこ | 2015年1月 7日 (水) 03:32
クロエちゃん、クレアちゃん、ふたりともきれいなお顔ですね!
ふたりを呼ぶときに舌がこんがらがりそう(笑)
子猫の頃からずっと一緒だと行動も似てきますが
兄弟姉妹はさらに似ているように思います。
そのうちマロウ君のやんちゃっぷりも出てくるでしょうね。
私、ヨモはキジトラだけだと思っていたので
サバトラのことも言うんだと初めて知りました-。
投稿: ゆう | 2015年1月 8日 (木) 15:40
>ゆうさん
私もしょっちゅう呼び間違ってます
すでにマロウよりやんちゃで、静かだなーと思うときでも、
一緒になにかいたずらしてます。
クロエたちの兄弟の男の子は、写真も直接見たときもサバトラでしたが、
譲渡主さんはヨモと言っていました。
不思議ですねー。
投稿: まちこ | 2015年1月 9日 (金) 23:07
まちこしゃんのこと、マロウちゃんのことずっと思ってました。
子育てがはじまったのでしゅね。ほっ。
べっぴんちゃんの妹たちの成長が楽しみでしゅ。
投稿: おたま | 2015年1月11日 (日) 18:27
>おたましゃん
9日で4ヵ月齢になりました。
おたましゃんのようにべっぴんしゃんになるでしょうか?
自分で届かない頭部は、お互いにペロペロとお手入れしあってます。
投稿: まちこ | 2015年1月12日 (月) 21:49