あれから

今年4月にパセリを20歳で亡くしたときもつらかったけれど、ちょうどその頃に生まれたマロウと1ヵ月半後に出会い、生きる希望をもらいました。

パセリを亡くしてからの同じ時間に、新しい命が生まれ、育っていたことを教えてくれたマロウ。

日々元気にかしこく育っていたマロウにFIPが発症し、救うことができず、4ヵ月半齢で逝かせてしまった衝撃は大きく、20歳で逝ったパセリのようには葬儀のことも書けません。

50日あまりの看病中は、夜間も2、3時間おきに起きていたので、亡くしてからもたびたび目が覚めました。

仕事には行っても、買い物や食事、入浴は面倒・・・という状態が続くなか、マロウも何度か夢に出てきた気はしますが、はっきりと覚えているのは、パセリが出てきた2つの夢。

初七日の前に見たのは、胸にパセリを抱いて知らない街をさまよいながら、早く帰らないとパセリが疲れてしまうと、とまどいながら焦っている夢。

パセリの姿で出てきたのは、自分の心でもあり・・・という気がしました。

二七日（ふたなのか）の前に見たのは、夢の中でも亡くなったことはわかっているパセリが生前の姿で冷蔵庫の上にいるのに気づき、

「パーちゃん、そんなところにいたの？　長いこと食べてなくて、お腹空いたでしょう？　すぐ用意するからね」

と、急いでウェットフードを出して食べさせる夢。

前の夢の中でのとまどいから、まだそう変わっていないにせよ、生きているなら食べなければ・・・と思うようになったのは、この夢を見たあと。

初七日には白地に青い足跡の模様がついたフォトフレームを、二七日にはブルースターとブルーファンタジアの青の花束と、マロウの名前の由来でもあるハーブのマロウで染めた淡い青色のタオルをいただきました。

淡い青の星型の小花が可愛いブルースターの花言葉は「信じ合う心」、ブルーファンタジアの花言葉は「永遠」。

マロウの骨壷の袋も青色なので、青い足跡のフォトフレームも、青い花束もよく似合っていました。

四七日（よなのか）を過ぎた今、ブルーファンタジアはドライフラワーに。

マロウブルーのタオルは、運転中や仕事中に膝の上に置いていると気持ちが落ち着きます。

このところ、職場外で受けた仕事の関係で、あまり見ていなかった「花子とアン」を知る必要があり、NHKドラマガイドや原案の村岡恵理『アンのゆりかご－村岡花子の生涯－』など、花子と白蓮に関する書籍等を読んでいます。

6歳の誕生日前に疫痢で亡くなった愛息・道雄（ドラマでは歩）の追悼文集に、花子が記したのは、

　　いとしみの六年（むとせ）の夏は夢なれや
　　うつつはひとつ　小さき骨がめ

　　そのひとりあればまひるのかがやき
　　そのひとりあらずばぬばたまの闇
　　いみじくも貴きそのひとりよ　そのひとり子今は世になし

そして、道雄が亡くなったあと刊行された『王子と乞食』の献辞は、

　　わが幻の少年道雄の霊に捧ぐ

私にとって、マロウは「永遠の少年」。

二七日のあと、9月23日（秋分の日）に元の保護主さん宅に形見分けのフードを持って訪ねたとき、保健所から救出されたマロウの兄弟のうち、今はその子だけとなったクロちゃんを抱かせてもらいました。

9月7日に亡くなったマロウは、一番大きいときで1.6kgでしたが、猫風邪がずっと治らないというクロちゃんは、目ヤニ・鼻水は出ていても、マロウよりずっと大きくなっていて、心の中のマロウがなお「永遠の少年」に思えました。

明日はマロウの初めての月命日。

この1ヵ月は一日一日がつらく、しなければならない仕事も多く、とても長く感じたけれど・・・。

マロウが逝ってからも、新しい命は生まれ、育っていて、慰みに里親募集サイトを見ては、よいお家が見つかって元気で育つように願っていますが、夢で甦ったパセリにごはんをあげたように、甦ったマロウにごはんをあげることが、かなわないことはわかっていても、一番の願いです。