初七日過ぎて
ミントとパセリを送った葬儀場では、ご住職が来られる月供養祭、寺院で開催される年供養祭があります。
9年前のミントのときは、無料の個別霊座で四十九日まで供養していただき、供養祭には参加していませんが、毎年2月22日、毎月22日のほか、ミントに話しかけたくなるたび、
「ミンちゃん、今日はいい天気だよ」
「ミンちゃん、パーちゃんが○歳になったよ。元気だよ」
「ミンちゃん、私の入院中、パーちゃんを見守ってね」
「ミンちゃん、パーちゃんの具合がよくなるように力を貸してね」
そして、今はパセリにも。
仏さまであれ、神さまであれ、虹の橋の世界であれ、いつか私もいくところなら、この世界と通じている・・・と思いながら。
*
ミントは、最後の1ヵ月に3回入院し、先生や看護師さんにも愛嬌をふりまき、かわいがられていました。
看取ったのは、3回目の入院中に急変し、連絡を受けて職場から駆けつけた2時間後。
もう一度、パセリに会わせてあげたかったけれど、
「ミンちゃん、もう体もつらくないね。パーちゃんも待ってるよ」
と連れて帰ったのは、お花を添えていただいたあと。
パセリは、避妊手術以外で入院したことがなく、最後の4ヵ月近くは自宅で毎日皮下輸液をし、食べる量が減ってからはシリンジ給餌もしましたが、痛む口で亡くなる前日まで好きなごはんを食べ、好きなベランダを歩いていました。
もしここが病院で先生がいたら、私にもっと知識と技術があったら、あの瞬間をうまくかわせたのではないか・・・と、あれから何度も考えましたが、通院には慣れていても、私が傍にいないと検査もさせなかったことを思い、
「パーちゃん、あれでよかった? シリンジ給餌だけにも、寝たきりにもならないで、生きられるだけ生きて、お家でぽっくりって思っていいの?」
と最近ようやく聞けるように・・・。
*
22日(火)は、パセリの初七日で、ミントの月命日。
仏壇のない家に育って、仏事に疎い私ですが、「動物とお坊さん」というブログの「初七日の話」「ペットの四十九日」ほかの記事を読みました。
初七日から四十九日まで、七日ごとに区切られた供養は、新米の仏さまが正式な仏さまになっていく過程で、悲しみにくれる家族が心の状態を立て直していく過程でもあり、それがなによりの回向・・・とのこと。
でも、亡くなった日から数えて7日目の初七日は、先週の今日はまだ生きていた、翌日逝くなんて思わなかった・・・とかえってつらさがぶり返し、帰宅後にブログの編集画面を開いても、何も書けないまま。
23日(水)は、未開封の療法食・総合栄養食・一般食のうち、お供え用の一部を残して、ミントとパセリがお世話になった方にもらっていただきました。
「わたしは長いこと療法食も好きだったけど、最後にいろいろ食べたごはんはもっとおいしかったよ」
とパセリなら言う、16歳と12歳の猫ちゃんに食べてもらえたら・・・と思いながら。
流動食(キドナ、リーナルケア、カロリーエース)は、必要な猫ちゃんが周りにもいないということで、今も手元に。
どなたかお入用の方がいれば、差し上げたいと思っています。
24日(木)は、仕事から帰ったあと、お世話になった動物病院からお悔やみのハガキが届いていました。
1階の郵便受けから出したハガキを読み、涙腺がゆるんだ状態でエレベーターに乗っていたら、ドアが開いて思わず下りそうになり、
「あ、すみません。○日に○○○号室に入居した○○です。上の部屋の方にご挨拶しに」
1階下で男性が乗り、同じ階で下りると、一番手前の部屋のインターホンを押していました。
帰宅して、ミントとパセリに、
「ただいま。新しく入居したって人がいたよ。ここに引っ越してきた頃のこと、思い出すね」
パセリの四十九日は、6月3日。
里親募集でミントとパセリに出会ったのは、20年前の6月5日。
つらさの波はまだ高くて、いつ凪ぐのかもわかりませんが、20年前の今頃、ミントとパセリは、それぞれの母猫から生まれ、きょうだいと揉み合いながら、母乳を飲んでいた・・・と思っては、顔も毛色も知らない母猫ちゃんにも、
「ミンちゃんとパーちゃんを生んでくれてありがとう。私に託してくれてありがとう」
と言っています。
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コメント
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初めまして。
パセリちゃんとミントちゃんへの愛情溢れる軟らかな言葉が素敵で、いつも優しい気持ちにさせて頂いています。
私も20歳の子の腎不全や口内炎と対峙しており、また1年前と2年前に愛猫を看取ったので、まちこさんの言葉が沁みて、シンパシーを感じています。
深い悲しみの最中かと存じますが、どうかご無理なさいませんように。
投稿: みほ | 2014年4月27日 (日) 10:56
初七日でしたね。
もし・・だったら・・て思ってしまうのね。
私は、パーチャンが最後まで好きなお家で暮せて、まちこしゃんの腕の中で旅だって、どんなに幸せで安らかだったかって思います。
もし・・お仕事に行ってるときだったらと思うと、耐えられないよ。
パーチャンは親孝行でした。
でもなぜかパーチャンのほうがまちこしゃんの親っぽいって思うのはなぜかしら。
49日の間はお家の中に居てくれます
そのあとは心の中にずっと一緒にいてくれる。
ウチの子たちもそうだから・・
投稿: おたま | 2014年4月27日 (日) 23:10
>みほさん
ありがとうございます。
みほさんの2年前と1年前のこと、20歳の猫ちゃんの腎不全と口内炎のこと、ひとごととは思えません。
口を痛がって引っ掻こうとするとき、私はパセリをさすりながら、初めは「痛いの痛いの飛んでいけ」、そのうち「痛いの痛いの私にちょうだい」と言っていました。
私自身もパセリたちを迎える前から慢性腎臓病で、ずっと通院していますが、進行しても人間ならもっと治療法がある、地方にいても受けられる、だから代わってあげたかったです。
20歳の猫ちゃんのつらさや痛さが少しでも楽になりますように。
そして、みほさんご自身もお体にお気をつけくださいね。
猫ちゃんのこと、また教えていただけたらうれしいです。
投稿: まちこ | 2014年4月28日 (月) 00:18
>おたましゃん
ありがとうございます。
互いに「子」となり、「親」となり・・・。
ミントもパセリも、私などにはもったいない、いい子でした。
この1週間は、私にはかけがえのない家族でも、人間ではないので、仕事も公には休めず。
行きも帰りも、職場で普通にしているのもきつかったけれど、やっと連休なので一緒にゆっくりしたいです。
投稿: まちこ | 2014年4月28日 (月) 03:13
お返事ありがとうございます。
私や20歳猫のフクへの理解や思いやりのお気持ち嬉しいです。まちこさんの綴るパセリちゃんへの言葉は、共感することばかりです。
お手元のパセリちゃんの療法食ですが、以前に私が寄付した事のある茨城の被災動物の保護団体に問い合わせ出来ますので、もしお譲りする方がいらっしゃらない時はお役に立てればと思っております。
つらさが凪ぐ術を未だ知らないのですが、深く本当に悲しむ事で気持ちが浄化される事もあるそうです・・・。
まちこさんも心身をお労りになって少しでもゆっくり出来ますよう願っています。
投稿: みほ | 2014年4月28日 (月) 10:17
>みほさん
連休と同時に体調を崩し、お返事遅くなりました。
アデノウイルスに感染して、薬も対症療法、治るのを待つしかないそうです。
私は29日~4日が連休、5日から通常勤務で、30日に予約していた人間ドックも延期になり、ゆっくり過ごしています。
フクちゃん、かわいい、よいお名前ですね。
ミント、パセリと同年生まれか、1歳上でしょうか?
手元に残っているのは、流動食のみ(キドナ小袋10袋、リーナルケア1缶、カロリーエースプラス1缶)ですが、お役に立ちますか?
フクちゃん、または被災動物の保護団体でお入用ならお送りしますね。
投稿: まちこ | 2014年4月30日 (水) 06:12
体調を崩されているのに、ご丁寧なお返事有難うございます。
私も2匹が天使になった後は、不調が続きました。
お返事は、気になさらないで下さいね。
フクは、6月で21歳になります。キジトラの甘えん坊・食いしん坊の平和な子です。
キドナなどは、保護団体に問い合わせてみました。
体調が落ち着かれた時にご連絡(私のメアド載せますね)下さるか、ここでのやり取りで、と考えております。
いつでも大丈夫ですので、こちらもお気になさらずに。
早い回復をお祈りします。お大事になさって下さい。
投稿: みほ | 2014年4月30日 (水) 11:39
まちこさん、お辛いのにブログアップして下さり有難うございました。パーちゃんとミンちゃんは、姿がこの世から居なくなっても、魂はまちこさんのそばに寄り添ってるはずです。私もしょう君に語り掛けている日々です。実は初めてお話しすると思いますが、猫7匹と暮らしています。上は18歳から下は2歳のニャンズ、私には大切な家族です。この上の18歳の子は、しょう君の最後を見届けてくれたお利口さんです。しょう君の分もどうか長く生きて欲しいです。
投稿: やよいちゃん | 2014年4月30日 (水) 19:19
先日は、久しぶりにゆっくりお話しができてうれしかったです。
ベランダを見ながら、
お花の水やりをするときにパセリちゃんが
一緒に出てきてくれたなーなんてことを思い出しました。
あのあと頂いたゴハンをキジトラーズに与えています。
ふたりともいつもと違うゴハンをとっても喜んでいます(笑)
ありがとうございました^^
体調を崩されているようですが、連休の間ゆっくり休んでくださいね。
投稿: ゆう | 2014年4月30日 (水) 23:47
>みほさん
ありがとうございます。
21歳目前のフクちゃん、食いしん坊さんなのはなによりですね。
お口の痛みがあまりないよう願っています。
流動食の件、後日改めてメールさせていただきますね。
どうぞよろしくお願いします。
投稿: まちこ | 2014年5月 1日 (木) 02:13
>やよいちゃん
私がミントを亡くしたときはパセリと一緒でしたが、
やよいちゃんにも他に猫ちゃんがいてくれたのですね。
うらやましい猫(こ)だくさん、猫(こ)宝です。
みんな元気でおいしく楽しく長生きしてくれますように。
投稿: まちこ | 2014年5月 1日 (木) 03:09
>ゆうさん
6年前と3年前、ちょうど今頃の季節でした
私もベランダに出るたび、パセリが一緒にいるような気がします。
この連休は、ミントとパセリが喜ぶように、苗を買ってきてガーデニング・・・と思っていたら、子どもの頃にもかかったことのない咽頭結膜熱で寝たり起きたり。
5日の仕事再開までにはなんとか・・・と思っています。
ごはん、リンちゃんとメイちゃんが喜んでくれてよかったです。
旅行や帰省のお宅が多く、お忙しい時期だと思いますが、ゆうさんもお体にはお気をつけくださいね。
投稿: まちこ | 2014年5月 1日 (木) 04:29