肥満細胞腫
一昨日、いつもパセリを診ていただいている先生から、
「先日の細胞診の報告書が届いて、『肥満細胞腫を疑う』という結果でした」
と連絡がありました。
「肥満細胞腫は、ネコちゃんの腫瘍で2番目に多いです。ワンちゃんの場合は100%悪性、ネコちゃんの場合は良性が約85%、悪性が約15%ですが、パセリちゃんの耳の入口のものは、場所、状態、最近の変化から悪性を疑います。お年や持病のことも考えて相談させてもらいたいと思います」
ということで、今日、週1回の皮下輸液&ビタミン注射とあわせて病院に行ってきました。
皮下輸液のあと、細胞診の病理検査報告書をいただき、今後の話に。
- 手術する場合、通常は十分にマージン(イヌの場合で3cm)を確保して切除するが、場所の関係でマージンがあまりとれない。
- 高齢で弱っている場合は、手術の提案はしないが、パセリちゃんは19歳半(人間なら94歳)で腎臓の持病があるとはいえ、元気で強いので、逆に悩ましい。先日、25歳で亡くなったネコちゃんがいるが、もし25歳まで寿命(生きる力)があるとすれば、まだ6年ある。
- (スタッフさん宅のネコちゃんで、耳と目の間にできた肥満細胞腫を切除した子の術前・術後・再発後の写真を示して)この子も場所の関係でマージンがとれず、確定診断で断端陽性だった。そのため6年後に再発したが、今はステロイドの飲み薬でこれだけ小さくなっている。
- 抗がん剤は体への負担も大きいが、ステロイドの場合はそれほどではない。
- まずは、1、2週間、ステロイドで小さくなるかどうか様子を見たい。
ということで、私も同意。
飲み薬は錠剤と液体があり、どちらも苦くて飲ませにくいということでしたが、以前、錠剤を飲ませるのに苦労したので液体に。
いま飲んでいる腎臓の薬のうち、マイメジンとは時間を空けないといけない(40分以上)ということで、投薬は夜。
帰宅後、薬を嗅いでみたら、「これは嫌がるー」というニオイで、毎日の強制投薬はストレスになるかと、しばし方法を思案。
ウェット療法食の風味づけにしているまぐろスープ少量と混ぜて出したら、ペロっとなめて「なんか変」とそっぽを向いたので、いつものウェット療法食(エナカルド入り)と再度少量のまぐろスープを足してみたら、スープだけ飲み干しました。
その後、マイメジンをまぶしたドライ療法食(朝の残り)を食べようとしたので、フードに染み込んだ薬も飲ませるため、ドライのお皿を隠し、
「パーちゃん、こっちのフードを食べちゃって」
食べ残すようなら、エナカルドもステロイドも処方の分量以下、食欲が落ちても困るので、ステロイドと晩ごはんの分離を考えますが、これを書いている間も何度かお皿に向かって食べています。
少し食べては、「ウワァ、ウワァ」(食べたよ、食べたよ)と言うので、
「えらい、えらい。ちょっとくらい変な味でも食べて」
とほめられながら。
ところで、肥満細胞腫について、私はこれまで「比較的良性の挙動をとるもの」と「比較的悪性の挙動をとるもの」がある「悪性腫瘍」なのかと思っていました。
ネット上の情報でも、そう読める書き方がされているものがありますが、伺ったところ、同じ肥満細胞腫でも動物種によって違い(イヌの場合は悪性腫瘍で、グレード分類もある)、乳腺腫瘍に良性と悪性があるように、ネコの肥満細胞腫には良性と悪性があるとのこと。
いただいた病理検査報告書にも、病理組織診断、所見の欄の下のコメントに、「猫の体表に生じる肥満細胞腫は一般的に良性ですが、動向は不安定ですので、マージンを確保して切除することを検討してください」とありました。
まして悪性疑いなので、かわいそうでも切除できるに越したことはないけれど、まずはステロイドで小さくなることを期待。
小さくなって手術するかしないか、小さくならずに手術するかしないか、マージンがとれなければ再発の可能性もありますが、パセリの寿命(生きる力)と治療によるベネフィット/ハーム、QOLを考えながら・・・。
細胞診をした22日(金)以来、パセリより私が悪性腫瘍だったほうがマシと思い、今もそれは変わらないけれど、私ががん経験者であることがパセリの役に立てば・・・と思っています。
« 結果待ち | トップページ | 雪とパセリが気になるなか »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント