インプラント再建の保険適用
そろそろかな・・・と思っていたら、今年7月からだそうです。
人工乳房、7月から保険適用・・・患者負担が大幅減
乳がんの全摘手術後の、乳房再建に使う人工乳房の保険適用が国内で初めて、12日開かれた厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で承認された。
7月から保険が適用される。自費診療で100万円程度かかっていた患者負担が、大幅に軽減されることになり、患者にとって朗報だ。
保険適用が認められたのは、米アラガン社の人工乳房(6万9400円、患者負担は通常その3割)と、人工乳房を入れるために皮膚を伸ばす組織拡張器(3万2100円)。昨年9月に薬事承認を受けていた。
保険には月の負担上限額(一般的な所得の場合約8万円)を定めた高額療養費制度があるため、手術代などを含めた患者負担は大幅に軽減される。日本では1年に約6万人が乳がんを発症。うち約2万人が全摘手術による乳房再建の対象になるとみられる。
(2013年6月12日 14時33分配信 読売新聞)
保険適用が認められたのは、アラガン社の「ナトレル ブレスト・インプラント」と「ナトレル 133 ティッシュ・エキスパンダー」。
詳細は、中医協総会(第243回)の資料「総-1-1」(医療機器の保険適用について 平成25年7月収載予定」(PDF)の11~13ページに掲載されています。
また、保険による使用については、下記を参照。
乳房再建の専門学会が誕生、インプラントの保険収載が追い風
厚生労働省は、保険による使用は、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が定めるガイドラインに従って認定された施設で認定された医師が使用した場合に限定している。施設の認定要件には乳腺外科医と形成外科医の双方が勤務していることが必須で、医師は認定講習会を受講する必要がある。また全ての症例の追跡を可能にする市販後調査の実施を輸入元のアラガン・ジャパンに義務付けた。日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会でも症例登録を進め、事故などが起きた場合はアラガン・ジャパンに通知する体制を取る。
厚生労働省のこの判断で、この認定講習会は、4月3日の東京を皮切りに、第21回日本乳癌学会学術集会が開催される6月の浜松、第1回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会が開催される9月の神戸の、年内に合計3回実施されることになっている。
(2013年4月23日 がんナビ)
これまでは、乳腺外科医と形成外科医が勤務していても、「保険適用外」という理由でインプラント再建を行わない病院が多く、私が通っている病院もそのひとつ。
なので、片道3時間かかる大阪でインプラント入替術を受けましたが、乳房再建の世界では有名な執刀医も、勤務先の大学病院では行えず、自由診療の手術は他院で、保険診療の診察は大学病院で・・・という方法をとられていました。
というわけで、今回の保険適用は、実施施設の増加や患者負担の大幅軽減に道を拓く、喜ばしいことではあるけれど、残念なのは、上記のエキスパンダーとインプラントを使用する場合に限られること。
使用できるインプラントは、お椀型のラウンドタイプのみ(エキスパンダーは、涙型のアナトミカルタイプなのに・・・)。
中味も、現在主流のコヒーシブタイプではなく、ゲル充填タイプ。
今回の保険適用を第一歩として、アナトミカルタイプのインプラントも早く保険適用となるとよいのですが、健側の乳房に合わせてアナトミカルタイプを使用する場合は、これまでと同じく「保険適用外」。
なので、7月以降にインプラント再建をする人(とくに地方在住者)にとっては、
- 実績はこれからという近くの病院で、ラウンドタイプのインプラントを使って再建
- 遠くても実績のある病院に行き、ラウンドタイプのインプラントを使って再建
- 遠くても実績のある病院に行き、アナトミカルタイプのインプラントを使って再建
のどれを選ぶか、それはそれで悩ましいかも
かくいう私も、もし、まだ無傷の右乳房を手術することになったら、左乳房に使用したメンター社のアナトミカルタイプ、コヒーシブタイプで、同じサイズのものを希望。
ほとんど同じものがあれば、アラガン社でもよいけれど、また保険適用外・・・なのは、御免こうむりたいです。
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