覚え書き
2日付の福井新聞に、こんな記事が載っていました。
県は2015年度内を目標として、県立病院陽子線がん治療センターの治療対象に乳がんの追加を目指す方向を明らかにした。実現すれば、陽子線による乳がん治療は全国初となる。(略)
同センターは前立腺がん、肝細胞がん、肺がん、頭頸部腫瘍(喉頭がんは除く)、転移性腫瘍(肺、肝臓、骨など)の5種類を対象として11年3月に治療開始。食道がんについては抗がん剤治療との併用治療を確立し、12年12月に対象に追加した。
陽子線治療では他の放射線に比べて集中的にがん細胞を壊すことができるが、正確に照射位置を合わせる必要がある。乳がん治療には、患部を固定するための新たな技術や器具開発が必要となっており、15年度をめどに研究を進める。
県地域医療化によると、陽子線がん治療施設は全国に7ヵ所あり、いずれも乳がんは対象外。鹿児島などの施設で研究はされているが、実施時期は示されていないという。
「切らないがん治療・通院で治療できます」がキャッチフレーズの陽子線治療。
前立腺がんを陽子線で治療した高齢患者さんのインタビューを、テレビで見たことがありますが、
- 全身麻酔が必要な手術を受けずに済み、身体的負担が少なかった。
- 通院治療で済んだことで、本人・家族の生活面での影響が少なかった。
というメリットを挙げていました。
ただ、現在は公的医療保険の対象となっていないので、治療費は全額自己負担。
照射回数によって、240万、250万、260万円と3段階設定(1年以上の県内居住者には25万円の助成あり)で、がん保険等の先進医療特約を付けていないと、経済的負担はかなり大。
2012年度に治療を決めた患者さんは、2月22日現在で134人、県外患者さんが半数の67人と、「切らないがん治療」のために遠方から来られる方も多いよう。
乳がんが対象になったら、切らないことで整容性が保たれるというメリットもあるよね・・・と、テレビを見たときも思っていましたが、治療基準を満たし、治療費を支払える人には、選択肢が増えることになりそう。
もし自分が・・・と仮定すると、実績がこれからという点や、術後の病理診断がない点に不安も感じますが、導入の際にはそのあたりも説明されるのでしょう。
乳がんの手術や乳房再建は、陽子線治療を受けない人のものになる日が、そのうち来るのかしら・・・と思った記事でした。
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