『猫から飼い主への手紙』
日本アニマルアロマセラピー協会 編
『猫から飼い主への手紙』 (ブログハウス、2007年)
猫がいる家庭での精油使用の危険性を指摘した1冊。
雄のトラ猫トラジャの体験と彼が書いた手紙・・・というスタイルで書かれていますが、著者は獣医師の田邉和子さん。
全64ページと薄手で、左ページは日本語、右ページはその英語訳。
内容が平易で、挿画入りのため、絵本のような感覚で読めます。
飼い主のカオリが部屋でたいていたラベンダーの精油で、肝障害を起こしたトラジャは、動物病院を退院したあと、カオリがいない日中にパソコンで猛勉強。
危険にさらされている仲間のために、全世界の猫の飼い主に手紙を書こうと思い立ち、メル友のマルチリンガルキャットの協力も得て、「猫からすべての飼い主へ」という手紙を書きます。
精油に関する部分をまとめると、
- 僕たちは、脂溶性の化学物質の解毒に必要な肝臓第Ⅱ相の酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)が完全ではない。
- 肉食動物である僕たちには、植物の成分を代謝・解毒する機構が必要なかったからかもしれない。
- 他の動物には何でもない化学物質が、僕たちには毒になる場合があり、植物の成分を人工的に濃縮した精油は、とくに恐ろしい化学物質だ。
- だから、精油の入った製品を僕たちの周りで使ったり、僕たちに直接塗ったりしないでほしい。
もし猫にアロマセラピーをするのなら、ほとんどが水溶性の成分のハイドロゾル(品質保証のあるもの)を必要最小限に・・・とありましたが、こちらの成分も完全に解明されてはいないそう。
わが家では、ハーブといっても栽培が中心で、精油は私がバスタブに数滴垂らすくらい。
精油の入ったシャンプー・コンディショナーも使ってますが、パセリのシャンプーは不使用のもの。
その他、トラジャの仲間が体に付いたユリの花粉を舐めて中毒死したという例も挙がっていましたが、新しい精油や植物を購入・使用するときは気をつけたいと思いました。
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