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2011年11月10日 (木)

再会

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6日(日)、長く会ってなかった大学の先輩と再会しました。

記事にはしないつもりでしたが、入ったおそば屋で注文したものが出てきたら、やっぱり携帯に手が伸びて

先輩は浜焼き鯖定食(おろしそばを普通盛りに変更)で、私は写真の天ぷら定食。

瓶ビール2本も注文して、ここで話したのは2時間ほど。

続いて、近くの新聞社の1階にあるカフェに場所を移し、コーヒー2杯×2人で4時間ほど。

前に会ったのがいつだったか、記憶が曖昧でしたが、そのあと自分が某所であった某会に向かったのを思い出して、開催日を確認したら2003年5月。

8年半ぶりだった(電話ではもう少し後まで話してた)ことがわかりました。

実際に会ってみると、白髪や脂肪が増えてることには、思ったほど違和感はなし。

少し前のめりにスタスタと歩くのも、話しかたも、昔のまま。

学生時代のこと、就職してからのこと、音信不通から現在までのこと、震災当日の東京や放射能問題と、話題はあちこち飛びながら、ほとんどブランクを感じることもなく、話すことができました。

3年前の乳がんと今年の乳がん、乳房再建については、事前にメールや電話でも話してましたが、次の入院中に面会に行きたいと言ったことでは、

「インプラントって、なにか上に貼るようなものかと思ったから、手術ってことがよくわかってなかったんだ」
「乳房切除した胸に貼るタイプのも人工乳房っていうけど、再建はインプラントや自家組織で文字どおり再建するの。だから手術が必要で、2泊3日なんだけど、手術前日は緊張してると思うし、当日は手術して寝てるし、翌日は午前中に退院。だから、無理」
「それでも、来ていいって言ったら、行くけどね。ほら、慣れてるし」
「たしかにね。でも、本当に時間ないし、こちらの先生も立ち会うことになってるから。3年前と今年で、面会に来た人が違うって気づいてると思うのに、もし会って、おっ、3人目って誤解されたら嫌だ(笑)」

それから、

「再建って、がんの切除と一緒に開始する同時(一期)再建と、乳房切除の後で時期をおいてする二期再建があるんだけど、あわせても全国でまだ1割なんだよね。私は、乳房が女性のシンボルとかって思ったことないのに、片方が平らになったら、入浴や着替えのときに自分はどう思うだろうって考えて、同時再建しとこうと思った。それも、自家組織じゃなくてインプラントで。そのうえで、再再発や今後の年齢を考えたら、元より大きいインプラントを選んで、対側を豊胸するって選択は、病院で言われなかったのとは別に、自分にはないと思った。なぜ再建したいと思ったか、なぜ人工物か、なぜ豊胸したいとは思わなかったか、自分の身体イメージをちゃんと考えたいと思ってるんだけど、まだダメ」
「セルフイメージか。それってブログに書くわけ? ブログじゃないといけないの?」

話しながら、再建が終了してないから、「まだダメ」なんじゃなく、別のことがネックになってるんだろうなあ・・・と思いました。

自分の目や耳に入る出来事や読んだものをきっかけに、これまでジェンダーやセクシュアリティ、エイジングについて考える機会があったとき、自分の身体や価値観も照合されていると思っていたけど、都合のいい範囲でしか照合してなかったというか。

リアルあるいはテクスチュアルな女性の身体一般ではなく、自分の身体を対象にすると、これまで考えていたつもりのことが、うまく統合されないというか

話題が別に移ったので、それについては話さなかったし、

「もし、いま睾丸がんになって、片方取ることになったらどうする? 『SEX AND THE CITY』のスティーブみたいに、インプラント入れる? 入れるとしたら、大きさはどうする? それとも、全摘だけでいい? そっちを選ぶのはなぜ? もっと若かったら/年だったら?」

という他の男性には聞いたことがある質問も、食事中だったので、さすがにせず

それでも、

「白髪、本当に増えたねー」
「僕は早いんだよ」
「禿げてないから、染めたらいいのに」
「そういう気にはならないんだ。着るものも気にしない」
「もしかして、そのメガネ、老眼入ってる?」
「もちろん!」
「へえ~・・・本とか読むときは?」
「外して、こうやって読むのが楽かな」
「ふーん・・・」
「いろいろとさ、未知の領域に入っていくよね。人の話や書かれてることで、老いってものに触れても、それ自体がカッコつけてたりもするし、自分で経験してみないとわからない」
「うん、そうなんだろうね。病気もそう」

なんて話もできて、1回きりの生というイベントを、近くで、遠くで、共有している人がいるのは、不思議でおもしろい・・・と思えた再会でした

というわけで、そうとは知らずに仲介役になった今の職場の○長、その機会を生かしてくれた先輩、前回の記事に対してコメントくださった皆さんにも、感謝です

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コメント

え~っと、昨日お約束は...さりげなくツッコミを入れます、でしたよね

ウン! 天ぷら定食、とてもおいしそうですよ(笑)


さすがに、これだけだと漫才なので、もう少し。

ブログの最後にがあるのを見て、ホッとしました。  少し心配してたのかな(笑)
心に刺さったままだった小さなトゲが抜けてバンドエイドを張ってもらったような気持ち?、と勝手に想像したりしていますが、そんな妄想は置いといて、再会してお話し出来たこと、本当に良かったですね


調子に乗ってもう少し。
ジェンダー、セクシュアリティ、エイジング・・・のお話しは、ちょっと難しかったです、先生!
全体的にアイデンティティのことをおっしゃっているような感じがしましたけれど、全然自信がありません
仮にそうだとしたら、それは一生もんのテーマですし、今答えが出なくても不都合が生じることもないでしょうから、じっくり考えていってもよろしいかと思いました。
でも、まあ、セクシュアリティもわからない自分が、そんなこと言うのはおこがましいのですけどね(笑)
不肖な生徒なので、折にふれて、ガンガンしごいてやって下さいね、先生

天ぷら定食、1050円だったかな?
おすすめです

上の身体イメージの話は、一生ものなんて長いスパンでいったら当然推移していくから、今の・・・ということです。
いま自分の身体に何を求めているか、社会的・文化的ありかたと自然との兼ね合い(に対する考えかた)、個人としてどこに足場を置くか(区別は難しいけど)って感じかなあ?
私が別の男性にした質問に答えたら、カンちゃんの場合の輪郭が出てくるんじゃないかと思うし、ここをつっこんでくるかなあ・・・と思ってたんだけど
カン先生ならどうするか、よかったら、考えてみてください

えっ~と、今日は...睾丸のお話しでしたよね  まだ理解不足のところがありますので、たいしたコメントは出来ませんが、思ったままを書いてみますね。

睾丸が一個無くなったら...そのままにしておくと思います。
ただ、片方だけだと、体のバランスがとり難くなるという話しを聞いたことがあるので、本当なら、その時は、同じ重さのインプラントを入れて下さいとお願いすると思います。

セックスする機能が温存されていたら、片方でも全然気にならないと思いますし、喪失してたらインプラント入れても虚しいと思うのではないかと。  

男性によってのシンボルは、睾丸よりもペニスの方で、睾丸をとる重みとペニスをとる重みには大きな差があると思います。 後者だと、機能喪失に加えて、シンボル喪失のショックも加わりますので、男性としての気持ちは大きく揺らぐと思います。 ただ、無くしたのがペニスだとしても、同じ理由でインプラントは入れないと思います。(やはり機能が全てで、形だけあっても仕方無いと考えてしまうのではないかと。)

乳房と違って、睾丸は見て美しいものではないですし、普段はパンツの中にしまわれていますから、自分自身がその外見を気にすることはないと思います。 それに、見る人も心を許したパートナーに限定されるわけですから、睾丸が片方なくても平気というように考えるのではないかと。 ただ、その外観で、パートナーの気持ちを暗くさせるような事があるならば、インプラントは入れると思います。

これを書いていて、乳房と睾丸では事情が違いすぎて、比較にならないのではないかという気がしました。 女性の乳房に相当するのはペニスの方が近いように思いますが、それでも事情は違うと思います。

先生、まずは、こんな感じでどうでしょうか?(笑)

長文&スパムが増えそうなご回答、どうもありがとう

私が直接聞いた男性も、カンちゃんとほぼ同じで、自分は形だけのインプラントを入れても仕方ないと思うけど、パートナーに望まれたら入れるという答えでした。

私が睾丸がんを例にしたのは、性差があって、形が体表に出ていて、1対になっている臓器が他になかったから。
それと、ドラマ『SEX AND THE CITY』のスティーブが、元恋人(あとでまた付き合う)のミランダに勧められて、一緒にインプラントを選びにいったとき、大きさで意見が食い違ってたのも思い出したから。

臓器としての機能だけでいえば、男性の睾丸に相当するのは、女性の卵巣で、乳房じゃないのは、カンちゃんの言うとおり。
でも、性差のある臓器ということで、自分のためなら~、相手のためなら~と、2方向で判断していたのは興味深かったです

乳房に話を戻すと、哺乳類の中で乳房が1対しかないのは、サルと人間だけで、人間の女性の乳房が、発情期とも授乳期とも関係なくふくらんでるのは、二足歩行になったからって説がありますよね。

四足歩行の頃には、セックス・アピールを持つものとして、おしりと割れ目が見えたのに、直立したことで見えなくなったから、その代替としてって。

そうだとすれば、カンちゃんの「女性の乳房に相当するのはペニスの方が近い」も当たっていて、「男性にとってのシンボルはベニスの方」とも書いてるわけだけど、私は前の記事で「私は、乳房が女性のシンボルとかって思ったことない」と書きました。

このままでは言葉足らずなので、少し言い換えると、「自分という女性」のシンボルとして乳房を捉えたことはない・・・かな。
それなら、自分だってそうだって言う?

単に「女性のシンボル」として捉えると、一人ひとりの「自分という女性」にも、観念として覆いかぶさってくるから、乳がんになった場合、手術そのものや見慣れた外観の変化を受け入れるのも大変なのに、よけいにつらい思いをするかもしれない。
でも、実際には、乳房を片方、または両方失ったぶん、その人が女性でなくなるわけじゃない。
失うことで、臓器としての機能はなくなるし、外観に変化は生じるけど、そのぶん女性じゃなくなったと思うことがあるとすれば、私は、「思う」というレベル、性差のある臓器と他の臓器の違いというレベルに分けて考えたいし、これをまとめてアイデンティティ(の喪失とか回復)という言葉に回収するつもりはないの。

・・・と書いていくと、長くなるから、続きは改めて記事にするかも

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