マクワウリ
こちらでは「キンカンウリ」と呼ばれているマクワウリ。
どちらにしても食べたことがなかったので、昨日立ち寄った隣市の直売所で買ってみました(2個で180円)。
果肉は白く、あっさりとした甘みで、まあまあいけます![]()
果物を「水菓子」と呼んだ時代には、よく食べたのかなあ?・・・と思ったので、青空文庫内で「真桑瓜」を検索してみると、永井荷風の随筆「西瓜」に、
わたくしは子供のころ、西瓜や真桑瓜のたぐいを食うことを堅く禁じられていたので、大方そのせいでもあるか、成人の後に至っても瓜の匂を好まない(略)
思返すと五十年むかしの話である。むかし目に見馴れた楕円形の黄いろい真桑瓜は、今日ではいずこの水菓子屋にも殆ど見られないものとなった。黄いろい皮の面に薄緑の筋が六、七本ついているその形は、浮世絵師の描いた狂歌の摺物(すりもの)にその痕を留めるばかり。(昭和12年4月稿)
とあり、昭和10年代には東京の果物屋から消えかかっていたよう。
同じく荷風の、市川に転居して2年後の「葛飾土産」には、
わたくしの若い時分、明治三十年頃にはわれわれはまだ林檎もバナナも桜の実も、口にしたことが稀であった。むかしから東京の人が口にし馴れた果物は、西瓜、真桑瓜、柿、桃、葡萄、梨、栗、枇杷、蜜柑のたぐいに過ぎなかった。梨に二十世紀、桃に白桃水蜜桃ができ、葡萄や覆盆子(いちご)に見事な改良種の現れたのは、いずれも大正以後であろう。(昭和22年10月稿)
とあり、やはり「むかし」あった果物という書きよう。
読みながら思い出したのは、晩年の荷風が毎日通い、十数年前、遠くの親友と私もバイトの日によく通った大黒家と、名物の甘い味つけのカツ丼でした。
レトロな甘みのマクワウリ、大黒家のカツ丼と合いそうですが、「懐かしいものが手に入ったんですよ」とデザートに出されても、荷風先生は食べなかったでしょうね![]()
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