精神衛生
ときおり電話で、近況報告を兼ねて職場の不愉快事を話す、遠くの親友と私。
シングルウーマンの精神衛生に大切なひと時は、一緒に腹を立てたり笑ったりして、数時間後、「ありがとう」「ありがとうね」で終わります。
先日も久しぶりに話しましたが、その中から書いてもよさそうなことを・・・。
1.妙な口癖
「うちの職場に、関西の人で『変な話、~』って言う人がいて、初めて聞いたとき、どんな話かと思って身構えたけど、ぜんぜん変な話じゃない。これを会議でも言うんだよね」
「それ、何かたとえ話を始めるときに使うんじゃない? うちの職場にも『極端な話、~』って言う人いるよ。でも、ぜんぜん極端な話じゃない」
「どこが変なの?」
「なにが極端なの?」
2.漢字で書かせてみたい
「この間、職場のおじさんたちが、『インロウを渡してやった』って言ってたから、『引導を渡したんですか?』って聞いたら、『うん、インロウを渡した』って。あんたは水戸黄門か!」
「そっちの言葉、『ド』と『ロ』を発音し分けないの?」
「そんなことない」
「じゃあ、ほんとに印籠だと思ってるんだ」
「うちの職場のおじさんで、『耳ざわりがいい』って言う人がいる。『それはねえ、耳ざわりはいいんだけど、~』とか」
「いる、いる」
「耳に障るの『障り』なのに」
「肌触りの『触り』だと思ってる」
3.気になる敬語
「プレゼンの原稿に、『○○が担当いたします』って書いてたら、『担当させていただきます』に直された。本番では『担当いたします』って言ったけど」
「敬語のほとんどが『~させていただきます』って人いるよね。「~させていただきます」って、相手の許可や恩恵を前提にした表現だから、連発されると押しつけがましい」
「電話で『○○は休んでおります』って言うと、周りがぎょっとしてこっちを見るよ」
「その人たちは、『○○はお休みをいただいております』とか言うんでしょ? 休みを許可したのは、電話かけてきた人じゃなくて、会社なのに」
「そう」
その他、「~のほうから」「~になります」を連発するとか、「相殺」を「そうさつ」と言い合ってるとか、いろいろと挙がって、
「耳障り」(笑)
「そう、耳障り」(笑)
普段からある小さい不愉快事に大きい不愉快事が重なって、「辞めたい」病が浮上しているとき、一人では笑えなくても、話しているうちにどこか笑えるところが見つかり、笑って終わることが多い彼女との電話。
その数日前まで、私も似た状況を抱えていたので、こちらからかければよかったなあ・・・と思いました
コメント
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敬語・・うっ、私も間違って使うことが多いかもしれません。
違うことすら気づいていないような・・
「それ、ヘンだよ?」って思うことがあったら
教えて下さい
投稿: ゆう | 2010年2月19日 (金) 15:05
ゆうさんに、「ん? ヘンだよ」とは思ったことないですよ
敬語では、3年前に出た「敬語の指針」
http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf
の第3章(サムネールで36~55ページ)がおもしろかったです。
謙譲語を「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」の2種類に分けてるのが独特ですが、説明を読むと、たしかに違うわね・・・と思いました。
投稿: まちこ | 2010年2月19日 (金) 22:31
ハンバーガショップやコンビニでの接客の言葉も変?と思うことがあります。新聞の投書にも載った事がありますね。
職場での変な言葉は、職場に合わせないといけない雰囲気もあるし 自分で納得できない間違った使い方をせざるをえない 時もありますね。
投稿: T恵 | 2010年2月24日 (水) 18:04
「ファミレス・コンビニ敬語」と言われるものですよね。
私の場合は、職場の言葉づかいに合わせないといけないということはないのですが、結構な年配の方が「耳ざわりがいい」とか「口先三寸」とか言ったときに、変な顔をしないように気をつけてます
投稿: まちこ | 2010年2月24日 (水) 22:07
“変な話”飛び交ってます(~o~)
私が気になるのは「あげる」です。
自分の子供や、ひどいのはペットや植物にも「あげる」を使っているのを聞くと、ほんと耳障りです。
あと、コメンテーターやタレントがよく使う「いい意味で~」というのも気になります。
テレビっ子(おばさん!)の私はいつもテレビに突っ込みをいれています。
投稿: よぉさん | 2010年2月26日 (金) 23:25
「あげる」は、世代差・性差で使い方が違うことばの代表格のようで、上に挙げた『敬語の指針』でも取り上げられています。
例えば,「植木に水をあげる」と言うか「植木に水をやる」と言うかについて,文化庁「国語に関する世論調査」(平成18年2月調査)においては,「あげる」と言う男性回答者の割合は,10代・20代では30~40%台であるのに対して,50代・60代以上では5~10%台であって世代による違いが見られる。
同じ質問について女性回答者は,多くの世代において「あげる」と答えた人の割合が男性より高いが,同時に男性と同様の世代差も見られる。
この差をどう捉えるかということについては、次のように書かれています。
一つは,敬語の使い方の違いには,その敬語についての理解や認識の違いが反映していることを考慮すべきだということである。
例えば,「植木に水をやる」を適切な言葉として選ぶ人は,「あげる」に謙譲語的な旧来の意味を認め,「植木」はその種の言葉を用いるべき対象物ではないと考えている可能性がある。
一方,「あげる」を使うと答える人は,この語の謙譲語的な意味が既に薄れていると考え,同時に「やる」という語に卑俗さ・ぞんざいさを感じてこれを避けている可能性がある。
現代は,この二つの考え方が言わば拮抗している時代であろう。
「植木に水をあげる」という場合の「あげる」は,旧来の規範からすれば誤用とされるものであるが,この語の謙譲語から美化語に向かう意味的な変化は既に進行し,定着しつつあると言ってよい。
敬語の使い方や意見の異なりを考える際,例えば「あげる」と「やる」についての理解や認識にこうした違いがあるように,それぞれの使い方や意見のよりどころとなっている別の理解や認識があること,つまり,自分自身とは異なる感じ方や意見を持つ人が周囲にいることに留意する必要がある。
もう一つ,より重要なこととして,前節で示した「自己表現」という観点から言葉遣いを自ら選ぶ姿勢を持つこと,同時に,他者の異なる言葉遣いも,その人の「自己表現」として受け止める姿勢を持つことに留意したい。「植木」をいつくしみ育てる気持ちは,「あげる」「やる」のいずれによっても表現される。
ちなみに、私はベランダの花には「水をやる」、パセリには「水をあげる」ですが、美容室で「ここをもう少し切ってあげて、~」などと言われると、「『切って』でいいんだけどなあ」と思ってます
投稿: まちこ | 2010年2月27日 (土) 02:17
なるほど。深い。
今は“あげる”が主流で、我々世代の感覚は絶滅危惧種です。
この気持ち悪さは耐えて受け容れるべきなのですね。
自分の子供に何かして“あげる”というのは謙譲とは逆なような気がしますが…?
自分対対象というより、話し相手に対して自分の子供やペットや植物のことを伝えるのに“あげる”はNGという感覚です。
だから美容室の方が飼い主さんに対して“あげる”を使われるのは私はOKです。
投稿: よぉさん | 2010年2月27日 (土) 12:32
敬語を使用する際には、誰が誰(何)にどうするという文中の関係だけでなく、その文の話し手と聞き手の関係も考慮しなければなりませんよね。
自分の子どもに「~てあげる」という話を、他人にそのまま言うような親は、私の場合もNGです。
そういう親同士で、「~てあげる」と話しあっているのなら、どうぞご勝手に・・・という感じですが。
『敬語の指針』は、規範的なのに少数派になった「やる」派も、近年多数派になった「あげる」派も、それを聞いて違和感をもつ人がいることに留意しましょう・・・と表面的には言ってますが、これは多分に「あげる」派に向けたものではないかなと思います。
私も、パセリには「ごはん、あげようか?」などと言ってますが、動物好きかどうかわからない人との間では、「やる」を使ってます。
それから、美容室の話は、短毛種のパセリではなく、私がカットに行く美容室のことで、客のものとはいえ髪を対象に、「こちら側からブローしてあげてください」と言われると、髪のほうが私より偉いんだなあ・・・と思ってしまいます
投稿: まちこ | 2010年2月27日 (土) 19:55
あ、そうなんですか。 ナットク。
そういえば、猫ちゃんのカットって聞いたことありませんでした(~o~)
投稿: よぉさん | 2010年2月27日 (土) 22:25