オジさんたちも
私とパセリは変わりありませんが、いつも一緒に出かける人が、25日(金)から椎間板ヘルニアによる足の痛みで療養中
ひとりで出かける気分でもないし、31日から2日頃まで大雪になるらしいので、私もしばらく巣ごもりすることにして、掃除と買い物を済ませました。
昨日、買って読んだのは、
「七人みさき」「生と死の女神」「神の背中」の3話が収録。
第9集の「雁風呂」と第10集の「巨木漂流」「ちいさきものの手」で、卵巣がんの告知~退院が描かれた忌部神奈のその後が気になってましたが、術後初めて教授と再会する「生と死の女神」、よかったです。
長野県小海町で八ヶ岳と八雷神について講演している教授と、天狗岳東麓に現れた陥没口(水中洞窟)に地元大学の女子ケイビング部員と潜りにいった神奈。
そこに火山性地震が起こり、神奈の担当編集者から連絡が取れなくなったことを聞いた教授は、男子ケイビング部員2名と救助に向かいます。
合流はしたものの、落石で退路を断たれた一行は、泥流層に縄文中期の遺跡を見ながら岩盤の間を進み、黄泉比良坂を塞ぐ千引の岩のような巨大な香炉型土器に遭遇。
その正面と背面で文様が違う女神像土器は、生命の女神から死の女神への反転(イザナミ)を思わせ、縄文文化を育み、噴火によって滅ぼした八ヶ岳と重ねられますが、そこに噴火が起こって、一行に死の女神が襲いかかろうとします。
がんを経験したことから、いつになく足をすくませる神奈に、教授は「付き添ってやるから進め!」「生命の女神-大地母神を求めて来たと、おまえも言ってたはずだ。死の女神なぞ無視してやれ!」と叱咤。
そして、一行は無事に黄泉国から生還し、最後は『古事記』の「吾はまさに汝(いまし)が治(しら)す国民(ひとくさ)、日に千頭縊り殺さむ」が引用され、出生数より死亡数のほうが多い現在の少子化日本に敷衍・・・という話でした。
ところで、子宮がん、卵巣がん、乳がん(これは男性にもある)は、「女性特有のがん」と言われますが、昨年、自分が乳がんになって改めて思うのは、
- 小説、マンガ、映画などに出てくる女性のがんは「女性特有のがん」が多い。
- その患者は、主役であれ、脇役であれ、死亡することが多い。
- 死亡することで、他の登場人物や読者・観客の心を動かすものが多い。
そう思うと、「女性特有のがん」である必然性が感じられないものや、「女性特有のがん」や「死」という道具立てに安易に寄りかかったものに、嫌な感じを持つようになりました。
でも、忌部神奈の卵巣がんは、「死」を迎えさせるためのものではなく、肩書きも関心も広かった彼女が、「これから“女神”を研究することに決めたの」という転機になっていて、今後の展開が楽しみ
救助ヘリの中で、ケイビング部の学生が「オジさんたちもやるなあ・・・」と言っている、巨木のような体の教授に抱きついた神奈、ステキな絵でした
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