がんを取り上げた番組
今週、NHKでがんを取り上げた番組が続きました
■11月23日(月) NHKスペシャル
「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」
一昨年、膀胱がんの手術を受けた立花氏による、「人類はなぜ、がんという病を克服できないのか?」という思索の旅。
生きていれば起こる遺伝子のコピーミス。
がん遺伝子によって「増える」という情報が暴走した細胞が、40億年の進化によって得たさまざまな細胞の仕組みを利用して、増殖・転移することなど、知っていたこと、知らなかったことがありました。
転移の可能性が高いのに、自分の年齢を考えれば、QOLを下げてまで抗がん剤は使用しないという立花氏の考えはともかく、がんが分子標的薬の裏をかき、効き目を失わせてしまうという部分に、心配になった患者さんもいたのでは・・・と気になりました。
なので、私が手術したのと同時期に、大腸がんの手術を受けた80代半ばの男性と、たまたま職場の食堂で一緒になったとき、
「NHKで立花隆のがんの番組をやってたの、ご覧になりました?」
「いや、そんなのやってた?」
「ええ。月曜に。一昨年、膀胱がんの手術をしたんですけど、もし転移しても抗がん剤は使わないって」
「なんで?」
「自分の年齢で、QOLを下げたくないからって」
「彼はまだ若いのと違う?」
「70ちょっと前ですよね。あと、IPS細胞とがん細胞がすごく似ているとか、分子標的薬が効かなくなるとかいうくだりも・・・」
「分子標的薬が効かんのは、困るね」
「最後は、鳥取の緩和ケアの病院に行って、人間は死ぬまで生きる力があるって」
「ふーん、それは当り前や」
鳥取まで行かなくても、元気がもらえました
■11月25日(水) ためしてガッテン
「吸ってなくても! 謎の肺がん急増中」
肺がんの原因は、男性の場合、7割が喫煙、3割が不明。
女性の場合、2割が喫煙、残りの8割が不明。
愛知県がんセンター研究所の最新の調査では、肺の細胞に女性ホルモン受容体を持っている人がいて、その細胞の遺伝子が傷ついたとき、女性ホルモンが受容体にくっつくことで、がんの発生・増殖を促すと考えられている・・・とのこと。
非喫煙者で今は健康な女性も、「女性ホルモン受容体」という言葉に馴染んでいる乳がん経験者も、びっくりの内容だったと思います。
私の乳がん細胞は、エストロゲン受容体が(+)90%、プロゲステロン受容体が(+)70%だったので、他の臓器ではどうなのか気になりましたが、大豆製品の摂取は続けようと思いました
■11月27日(金) 金とく(ローカル番組)
「ウッチーのとことん! がんの終末期 最期の日々を安らかに過ごしたい」
がん患者の多くが、実は肺炎などの感染症で亡くなっている原因として、入院中に陥った飢餓状態による免疫力低下を取り上げた、これまた驚きの内容でした。
そんななか、医師や看護師、管理栄養士などが協同するNST(栄養サポートチーム)を稼働させる病院が増え、栄養療法の質を認定する日本栄養療法推進協議会もできているとのこと。
専門家のコメントのほかに、感染症で亡くなったがん患者の家族の声、飢餓状態だった末期の男性が、NSTが稼働している病院に転院後、点滴の切り替えと個別に工夫された食事で元気を取り戻した姿が紹介されていました。
番組後半では、緩和デイケアを始めた病院の様子も紹介。
私が手術して、半年に1度検査に行っている病院は、緩和ケア病棟があり、NSTも稼働していますが、地方ではそういう病院はまだまだ足りません。
日本人の2人に1人が、がんになる時代。
番組では家族のいる患者さんばかりでしたが、「おひとりさまの老後」という方も多いはず。
元気なうちから、考えておかなければならないことがいろいろあります
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コメント
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ガンって遺伝による部分もあると聞いたことがあるのですが
どうなんでしょう。
私の母方はガンで亡くなっていることも多いんですよ。
ちなみに夫は喫煙者。
日々の生活の中でいかに早く見つけられるかということも
大事なんでしょうね
投稿: ゆう | 2009年11月30日 (月) 21:59
がんは遺伝子変異による病気だけど、体細胞の遺伝子変異は子には伝わらないので、「遺伝性」とか「家族性」とされるのは、親の生殖細胞の遺伝子変異を受け継いでがんになる場合みたい。
愛知県がんセンターのこの↓ページ
http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/200/220/04/gene_panf.html#10
に、これまでに見つかっているがん遺伝子と病気が載ってますが、それらの原因遺伝子を持っている人は一万~数十万人に一人で、同じがんの人が血縁者の中にいない場合は、原因が受け継いだがん遺伝子であることはまずないそうです。
日々の生活で気をつけたほうがよいことは多々あっても、それでがんにならないという保証はないし、性ホルモンや老化も原因になるわけなので、早期発見がやっぱり一番・・・と思います
投稿: まちこ | 2009年11月30日 (月) 23:41