ポポの味
先月、新聞と一緒に配達される情報誌を見ていたら、ポポという果物を作ってる女性が紹介されていて、そこに載ってる写真をよーく見たら、知ってる人でした。
で、先日、その人と会ったとき、
「この間、○○に載ってましたね」
「見た? 見たんかぁ? いや、恥ずかしっ!」
「あのポポって何ですか? 新しい果物?」
「昔からあるよ。食べたことないんか?」
「ええ、名前も知らなかった」
と話していたら、「味見してみませんか?」とメールがあり、今年はこれで最後だという実をいただきました。
紙袋に入った実は、トロピカルフルーツ系の甘い香りを放っていて、マンゴーみたいな味かなあ?・・・と思いましたが、帰宅して夕飯の後に食べてみると、カスタードプリンのような味
「指先でちょっと揉んで、皮を剥いてかぶりついて下さい」というメモもいただきましたが、縦に切ってスプーンで食べました
その後、「昔からある」というのが気になって、ネットで検索したら、銀座千疋屋の初代社長・斎藤義政氏の『くだもの百科』(婦人画報社、1964年)が転載されているサイトで、「ポポー(ポポウ)」の項目を発見
斎藤氏によれば、日本に入ったのは明治30年代の初めで、京都の郵便局にアメリカから荷札の取れた小包が届き、配達に困って中を見ると苗木だったので、農事試験場に届けられたそう。
昭和7年に農事試験場を訪れた斎藤氏は、翌年から東京に実を送ってもらい、日本で初めて売り出したようで、価格は1個80銭。
バナナが入荷中止となった戦時中には、代用品としてもてはやされ、各地で急速にポポの木が拡がった・・・なんてことも書かれてました。
初めて食べたポポの味。
甘くない戦時下の甘い味でもあったようです。
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コメント
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ポポ!
はじめて聞きました。
そんな果物があったんですね-
うーん、まだまだ知らないことがいっぱいあります!
投稿: ゆう | 2009年10月29日 (木) 22:00
私もぜ~んぜん知りませんでした。
ポポー、ポーポーともいうようです。
昭和初年代~10年代には、それなりに流行ったらしいのに、
どうして「知られざる果物」になったのか・・・。
トロピカルな香りや味、食感が、当時の日本人には珍しすぎた?
バナナの代用品のイメージができあがってしまい、本物が食べられるようになったら、不要になった?
いろいろ想像してしまいます
投稿: まちこ | 2009年10月30日 (金) 02:28