いろいろ
10日に始めた作業がやっと終了。
途中、暇をみて現代語訳でも・・・と思ってましたが、「読んだからあげる」ともらった本を中心に読んでました
掌編11編、短編6編、長編1編。
掌編・短編に不足の感なく、長編に冗漫の感なく・・・という感じで、入浴中や就寝前に。
藤田宜永・小池真理子夫妻の小説には、ときどきネコが登場しますが、ネコが登場しない『青山娼館』にも、「子供を持ったこともなく、それに匹敵する生き物を飼ったこともなく、まして、自分より先に死なれた経験もない女に、興味本位の同情をされることほど腹の立つことはない」という一節がありました。
主人公の奈月は、青山の裏通りにある会員制の高級娼館“マダム・アナイス”の面接で、「お子さんをもうけたことは?」と聞かれ、「子供を持ったことはあります」「死んだんです。一年前。娘でした」と答えます。
「マダムは心底気の毒そうな顔をしたが、それ以上、何も聞いてこなかった。その瞬間、わたしはどういうわけか、この人はいい人だ、と思った」という、その理由にあたる部分。
「それに匹敵する生き物」って絶対ネコだ・・・と思いました
本家の『金瓶梅』は読んだことありませんが、こちらは11代将軍徳川家斉の時代の商家が舞台。
くれた人は「期待外れだった」と言い、私は林真理子の作品には好き嫌いがありますが、それは措いても、解説の人、ちょっと持ち上げすぎ・・・という気がしました。
夜の銀座の路地でホステスが殺され、第一発見者で作家志望のボーイが犯人探しに挑みます。
最後までわからない犯人は、題名どおり、息子ではなく、男ではなく・・・でした
この本が2000年に刊行されたときに買ってました。
小池真理子や藤田宜永の本をくれる人が、映画が封切りになった頃、「『愛を読むひと』の原作が読みたいのに売ってない」と言うので、「それなら持ってるよ」と貸し、しばらく前に返ってきたので再読。
以下は、その後日譚。
「これ、もう借りてもいい?」
「・・・もう読んだんじゃない?」
「え?」
「戦前のドイツで、15歳の少年が道端で吐いたときに36歳の女性に助けられて、それからつきあって、本も読んであげてたの。そのあと彼女が姿を消して、戦後に法学部の学生になった彼が裁判を傍聴したとき、彼女は強制収容所の女看守として被告になってて・・・」
「・・・読んだ気がする」
私も再読するまですっかり忘れてましたが、2人が法廷で再会する部分で、泉鏡花の『義血侠血』を思い浮かべたのは、前に読んだときと同じでした。
短編6編。50代男性の恋の話。
明治末期に東京の女学校を出た2人の女性。
恋愛結婚した明子は、5年後の大正初期も新婚さながらの毎日を送り、見合い結婚した清子は、離婚されて実家に。
明子は夫の会社の事務員に清子を紹介しますが、やがて清子は明子の夫の妾となり、妊娠して、子のない明子は姑に追い出され、妻と妾が入れ替わって・・・という話。
う~ん・・・。
当時の女学校の位置や『青鞜』の平塚らいてうに触れながら解説してる斎藤美奈子さん、えらいと思いました。
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