病理結果は
午後から3時間ほど仕事に行き、いったん帰宅した後、昨日退院した病院の外科(乳腺外来)に行きました。
先月25日の左乳腺部分切除後、病理検査に出された依頼は、
【検査目的】
組織型の判定、悪性度
【臨床診断】
左乳腺石灰化病変
【臨床経過】
左石灰化は、微小円形、集簇。2パターン。
背景乳腺は若干濃度上昇を伴う。
年齢、MRI、US所見から総合的に判断すると、乳腺症でもよい印象。
【マンモトーム生検】
病理診断:Atypical ductal hyperplasia , left breast
病理所見:左乳腺マンモトーム生検4本
いずれの標本にも乳管がやや拡張し、cribriform patternをとる乳管の増生がある。
癌としての異型はなく、異型乳管増殖症と考えられる。石灰化が集簇しているため、石灰化部分の切除を行った。
【局所所見】
DCIS成分はございますでしょうか。
という内容。その結果、
【病理診断】
Left breast cancer , noninvasive ductal carcinoma
[lt, C, 0.3×0.2×0.2cm, g, ly-,v-, ductal spread-, nx, margin-]
【病理所見】
肉眼的には拡張した乳管組織が認められるが、腫瘤形成は指摘できない。
組織学的に0.3×0.2cmの範囲で篩状および充実性patternを示す微小な乳管内癌を認める。
背景の乳腺には軽度の異型を持った異型上皮が低乳頭状に増殖した異型乳管増殖症相当の乳管が散見される。
VNPIでは、size1点(3mm)、margin1点(>10mm)、pathologoc score1点の合計3点である。
免疫組織化学的に腫瘍細胞はER(+,約90%)PgR(+,約70%)であった。
ということで、DCIS(非浸潤性乳管がん)がありました。
上の診断に添付された切片の画像(ADHとDCISの部分がマーキングされてた)もたくさん見ました。
「ごめんね。気持ち悪いかな」、「いいえ、携帯で撮りたいくらい」と言いながら、「撮ってもいいですか?」とは聞きそびれましたが
8日は耳鼻咽喉科の入院騒ぎと重なり、外科の退院後はじめての傷のチェックをしただけ。
なので、「広めに取った」という手術について改めて尋ねると、手術中にレントゲンを撮って、最初に取った部分の上と内側も追加切除したとのこと。
結果、DCISは十分なマージンをつけて取ることができ、VNPI(Van Nuys Prognostic Index)のスコアで推奨される「部分切除のみ」という治療指針とも合致。
いま放射線治療をすると、もし同側に再発したとき、通常はセットで行う「部分切除+放射線治療」が選べなくなるので、今回は行わないことにしました。
で、次の受診(6月16日)までの宿題となったのが、ホルモン療法の検討について。
女性ホルモンで増殖するタイプのがん、つまり、エストロゲン受容体(ER)やプロゲステロン受容体(PgR)が陽性(+)の場合には、再発予防にホルモン療法が有効なんだけど、今回のようなケースではしないことのほうが多いとか。
ただ、局所療法の放射線治療と違って、全身療法のホルモン療法には、手術した側にもしてない側にも予防効果があるので、検討の余地はある・・・という話。
放射線治療後にホルモン療法をする方用のプリントもいただきましたが、「タモキシフェンで検索すると、いろいろ出てますから」と言われては、次は効能と副作用(更年期様症状など。嫌だな~)についての質問タイムかしら。
ちなみに、生活上、再発予防のために気をつけることを尋ねると、
「はっきりしてるのは、肥満と過度のアルコール。肥満はしてないけどね」
「アルコールも最近は少ないですよ。ビール1日1本くらい」
「まだ喉が痛いだろうしね」
もうひとつ決まったのが、今後は半年に1回、マンモグラフィとエコーで経過観察すること。
今回は、たまたま早期発見・治療できましたが、まだ石灰化してないADHもあるだろうし、DCISや浸潤がんになる可能性もあるので、長いお付き合いになりそうです。
コメント
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とにかく追加切除がなく早期発見・治療ができましたこと、本当によかったと思います。
これからの長いお付き合いは私も同じですから、今後も情報交換を
是非、よろしくお願いいたします。
それにしてもまちこさんの病院では、詳しく説明があるのですね。
これは書面に記載されている内容なのですか?
私の病院では、先生が説明しながら手書きで記入してくださる簡単な書面はあるのですが、病院によってこんなにも違いがあるものなんだと感じた次第です(患者側もしっかりしないといけませんね)。
早速、お仕事にも復帰されているようで心配していますが、パセリちゃんのためにも元気なまちこさんでいらして下さい。
投稿: emiemi | 2008年5月13日 (火) 13:30
DCISでしたか。
私は左胸に 放射線を30回受けました。
そして タモキシフェンを飲んでます。
シンガポールではDCISでもこれがガイドラインにしたかった標準治療のようなので、納得の上やりました。
タモキシフェンを飲むことで 特に私は更年期障害のような副作用は出てませんが、子宮体ガンのリスクが上がるようで、毎年の検査はかかせません。
でも再発のリスクを抑える方が 子宮体ガンになる確率より大きいので飲んでる間は致し方ないかと。
そうです 長い付き合いです。
術後数年間は半年に一回の検診、1年に1回のマンモとエコー
5年後でも1年に1回はマンモとエコーは続けたほうがいいそうで、ほぼ一生のお付き合いのようです。
お互い 猫の為に健康で長生きできるよう頑張りましょうね。
投稿: レオ | 2008年5月13日 (火) 18:34
>emiemiさん
ありがとうございます。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
過去の記事でもそうですが、点線で囲んだ部分は、書面の記載(の一部)です。
手術、病理などは書面をもとに説明されたので、その場でもあとからでも質問しやすく、目の前のモニタに出ている電子カルテの記載や画像も一緒に見てました。
マンモグラフィやマンモトームで引っかかった頃は、先生に対してもっと説明してほしい・・・と思ってましたが、術前の質問タイム1時間のあとは、何でも話せるようになりました。
朝の回診、8:30~18:00頃までは外来や手術、夕方の回診やカンファレンスで、先生も大変と思ったので、次の質問タイムはもっと要領よくしたいなと思ってます。
ちなみに昨日は、実際に話していたのは20分くらいです。
投稿: まちこ | 2008年5月13日 (火) 23:09
>レオさん
標準治療って、国によって本当に違いますね。
国内でも、都会と地方、病院によって違うし。
私が放射線治療をしないのは、今回のDCISが微小で取り切れたと思われること、がんができやすいと思われることから、あとに備えてのことです。
今してしまうと、同側に再発したときに温存手術+放射線が選べずに乳房切除になる場合があること、放射線を当てた部分の画像診断がしづらくなること、残余のADHに放射線を当てるにはエビデンスが希薄なことなどを聞いて、私も「あとに残しとこう」と思いました。
で、タモキシフェン。
子宮体がんの発生率はごく軽度の上昇のようですし、レオさんのように更年期様症状がなければいいなあ・・・と思います。
私の場合、すでに一生の付き合いのIgA腎症もあるので、服用中のコメリアンの抗血小板作用とタモキシフェンの血栓形成の副作用の兼ね合いとか、腎臓内科の先生の意見も聞いてみようと思ってます。
最近つくづく、病気する=勉強することだなあ・・・と。
ネコが病気したときもそうですが、勉強してよりよい選択をすることで長く元気でいられるなら、勉強しないと・・・ですね。
投稿: まちこ | 2008年5月13日 (火) 23:15