病院で会ったおばあさん
先月までは、毎週火曜=家で仕事してればいい日だったのに、今月から夕方に用事が1つ。2ヵ月に1度の通院が火曜午後なので、「2時間待ちになったらヤバイよー」と言ってますが、今日はとりあえず間に合いました。
●病院で会ったおばあさんの話
1階ロビーの自動再診受付機の前。診察カードを何度も出し入れしてるおばあさんに「どうかされました?」と聞いたら、「こんなのしか出んのやわ」と指さしたモニタに、「午後の受付は終了しました」の文字。
「予約の確認が出ませんね」
「2時って言われたんやけど」
「あっちの受付の人におっしゃったほうがいいですよ」
「そうやねぇ。息子に言うてみます。ありがとう」
その後、エスカレーターで上るとき、駐車場から来たらしい息子さんと話してるのが見えましたが、しばらくして同じ科の前で再会。私を見つけたおばあさんが、杖をつきながら移動してきて、
「さっきはね、息子の都合で予約の日を変えたから、入ってなかったんですって」
「ああ、それで・・・」
「私は、こないだ入院してね。もう84歳やし、25日も入院して、足が弱うなってしもたけど、退院してから自分でご飯作ってるの。カリウムがあかんのやってね。野菜は全部茹でこぼしたのを使いなさいって。腹膜透析の管を入れるときは、ほん嫌やったけど、食事を変えたら、だいぶ具合がようなって塞いだの」
「管は抜いたんですか?」
「ある、ある。悪うなったら、またお腹切って使うって。嫌やね」
「でも、よく気をつけてらっしゃるから・・・。たんぱく質も制限されてます?」
「お肉もね、ここに来る前、小さい病院に行ってたときは何も言われんし、素人考えで鶏くらいにしてたけど、40gまでは牛でも豚でもいいんやってね。買ってきたら40gずつに分けて、ラップで包んで冷凍しとく。それを解凍して、こないだはカレーライス作ってみたけど、市販のルーは使えんから、カレー粉でね」
「却って本格的ですね」
「そうやわ。野菜もね、茹でこぼしたのを冷蔵庫に入れてるからラク。息子の家族とは別」
「お偉いですねー」
いつもは、待ち時間の長さと診察時間の短さにうんざりして、別の小さい病院を紹介してもらおうか・・・と思ったりしてましたが、腎不全で入院したおばあさんへの栄養指導のほどを目の当たりにして、ちょっと考え直しました。
仕事でお会いする80代の男性には、「あちこち病気だって言いながら、元気だなー」とか「いつ引退するんだろー」とか思ってますが、普段は話す機会がない80代の女性のしっかりした様子を見て、「キルヒアイス、まだまだ学ぶことは多いな・・・」と、ラインハルトのようなことを思った午後でした。
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