休日
今日は午後、入院中の弟と電話で話し、母の話ではわからなかったこと(心臓の冠状動脈にステントを留置したこと、現在の状況や今後の見通しなど)も聞けたので、夕方まで洗濯・掃除など、たまっていた家事に専念できました。
少し前、クローゼットのポールの留め具が重量過多で壊れたのも交換したし、ポリポットのまま素焼きの鉢に入れていたアンドロメダ(バラ)の定植、ベランダのハーブや室内の観葉植物の手入れもして、なんとなく気分が落ち着いたので、夜は読書に専念。
チェーホフやゴーリキーの訳者・湯浅芳子のエッセイ集『狼いまだ老いず』(筑摩書房、昭和48年)を読了しましたが、中條百合子(のちの宮本百合子)と遊学したソ連を40年ぶりに旅した話、老人ホームに入る年下の友人から子猫の貰い手探しを託され、ひと月も奔走した話には、ちょっとほろりとしました。
湯浅芳子は、百合子の自伝的長編『伸子』・『二つの庭』・『道標』に登場する吉見素子のモデルで、戦後の2作品での素子の描き方がひどすぎると言われてますが、私にとってはその素子も十分に魅力的で、芳子の文章に表れた人となりは、それ以上に魅力的。
沢部ひとみ『百合子、ダスヴィダーニヤ-湯浅芳子の青春』の年譜には、このエッセイ集刊行の前年から「自伝小説の草稿・取材を始めたが完成せず」とあり、惜しまれる気もしますが、繊細で優しい内面とシニカルでダンディな外面を持つ彼女の資質を考えると、小説を残さなかったぶん、却って魅力的なのかも・・・と思ったりしました。
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