座談会のバイト
プルさんの「自動車に関するアンケート。」を読んで、昔やってたバイトを思い出しました。
バイト先は、旧・日テレの数軒隣のビルにあった会社。回収済みアンケートの集計や、性別・年代別の座談会のレポートをまとめたりというものでしたが、けっこう勉強になりました。
きっかけは、先にバイトしていた知人から誘われたこと。最初は某コンピュータ会社の企業内アンケートの集計で、「つまんないな~」と思ってましたが、しばらくして社員のお姉さんから「あなた、こういうのやらない?」と言われて座談会に・・・。
タバコ、便秘薬、チーズ、カップめん・・・などの座談会で、出席者は、アンケート回答者等の中から会社がコンタクトをとり、同意した人たち(お弁当と謝礼が出る)。
司会は上記のお姉さんで、私は録音とメモを採りながら同席し、数日中にレポートを提出するというものでした。
勉強になったのは、クライアント(メーカー、広告代理店)と購買者の間にこういう仕事があるんだな・・・という基礎的なことから、そのお姉さんの司会のしかた、パッケージやテレビCMの試作品が見られたこと、商品、クライアントの意図と購買者の声のマッチ/ミスマッチなど。
初めは何となく様子見の出席者の皆さんは、全員その商品の購買(経験)者なので、誰かが先鞭を切ると、それをきっかけに次々と薀蓄を語り、「へぇ~」と思うことやあっけにとられることが多々ありました。
たとえば、便秘薬の座談会に集まった30代の女性たち。ひとりが「私は3、4日続くことがある」と言った後、「私も」「私は1週間」「最長2週間」「負けた~」と自慢大会になり、その間の辛さや便秘薬への期待を語ります。
司会のお姉さんが「では、このCMから受ける印象をお聞かせください」と流したのが、緑を基調にした爽やかなCMだったときは、「効かないかな~」「同じく」「買わない」「自分向きじゃない感じ?」と朗らかに答え、司会のお姉さんも苦笑い。
あるタバコの座談会では、今ほど肩身が狭くなかった愛煙家の40代男性たちが、提示されたボックスとソフトパッケージを代わる代わる手にとって、少し離して眺めたり、「ボックスになると、味が変わるんだよな」「潰れないのはいいけどね」「でも、味が変わるだろ?」「色はこっちだね」と友人同士のように語り、終了時に手土産と謝礼を渡すと、「申し訳ないですね」「面白かったですよ」と散って行きました。
個人情報保護法がない頃の話。初対面の人ばかりの座談会で、自分から名乗った人も名乗らなかった人も、レポートではAさん、Bさん、Cさん・・・と仮名にしたし、録音したテープはレポート提出時に会社に返却し、当日のメモは細かく破って捨ててましたが、作業は自宅でやってました。
今はどうなってるか知りませんが、もし間違ってそういう場にお呼びがあっても、私自身は出ないし、出たところで先方にも意味がなさそう。
あのときの出席者の皆さんほど語れないし、進行の具合、パッケージやCMのコンセプトが気になって、黙り込んだり、変な質問したりしそうなので。
という前に、自分がセットする側でも、調査対象として、ある性別・年代のグループを作る時点で、それなりの期待値があるはずなので、わざわざ入れるわけないか・・・と思います。
「今日は何時に起きたかと思って」という理由で、このブログを見てる知人もいるくらい、イレギュラーな生活してるので(^_^;)
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