1902年の雑誌広告
最近、カテゴリー「広告のこと」の記事を書いてないので、昔の女性雑誌をパラパラと・・・。
明治35年7月の『婦人界』なので、正真正銘、昔の雑誌。おじいさんの頃しかしらない昭和天皇が満1歳という時代です。
右手で瓶を持ち、左手に化粧水をとろうとしてる絵なので、雑誌を逆さまにしたくなるけど、アンティークなデザインの瓶がステキです。
表2対向は、東京日本橋・大阪高麗橋の三井呉服店。
「御休息室をも取設おき候間おなぐさみかたがた御子様方おつれ遊ばされゆるゆる御遊覧なし下され度願上候」と、ご婦人向け候文のコピー。女性雑誌なので、化粧品、呉服店の広告が並んでるのもうなづけます。
次が目次(見開き)で、口絵、絵葉書(綴じ込み付録)の後に、山崎太陽堂「淋丸」の1/2広告。
昔の雑誌を見ると、性感染症の売薬の広告が多いけど、ここでは「淋病は子宮病を起す基で又 子の出来ざる原因である故 速に淋病を根治して子宮病を除き健全なる子を設けられよ」とアピール。
夫から感染しても、「子なき女は去るべし」の『女大学』の時代を感じます。
その後、書籍・新聞の広告が続き、再び口絵。
「淋丸」の口髭の男性と似てるな~と思ったら、「西郷侯爵の家庭」の写真。
西郷侯爵って、あの西郷隆盛?・・・なわけないので、「家庭欄を見よ」の指示に従うと、「侯が内務大臣の時」「台湾征討の常時」のエピソードがあるので、弟の西郷従道みたい。当時は有名人なんでしょうけど、下の名前、書いてないので。
広告に口髭の男性が描かれるのは、地位ある男性の象徴、転じて商品の権威づけかと思ったら、こんな口髭もありました。
山崎愛國堂といえば、前に取り上げたことがある「ゼム」の広告もおもしろかったです(「暑くなると」を参照)。文学作品にも出てくるので、「石川啄木 ゼム」などの検索で、今もときどきアクセスがありますが、こちらも「禿、抜毛、薄毛、生際悪き人試みよ(略)あるべき所毛なきに用て毛はへる事」 といいながら、絵には、なくていいとこにまで毛が生えてるお茶目っぷり。
ホントは、「金港堂お伽噺」シリーズのコピーがおもしろかったので、そっちをメインにするつもりでしたが、長くなるので改めて・・・。
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