入院体験
ていうか、まだ入院したわけじゃありません。過去の入院体験(の一部)です。
1.1986年10月28日~11月11日(15日間)
都内、○○医大の今はない付属第一病院に入院。腎臓内科に通っていたら、「甲状腺が大きいね。甲状腺外科で見てもらうといいよ」と言われ、外来で検査(CT、穿刺吸引細胞診など)をした後、入院して甲状腺がんの手術を受けました。
4人部屋の同室患者さんは気のいい人ばかりで、その筆頭が、父が若い頃に下宿していた家の娘さん。世間話をしていて、「たぶんそうよ。聞いてみたら?」と言われ、電話で父(当時45歳)にその人の旧姓と名前を伝えると、「そんな偶然があるんやなあ」「もう、結構なおばさんになってるやろ?」とか言ってました(^_^;)
彼女は「子宮がんの手術もしたけど、今度は乳がんよ」と言いながら、病室で一番ハツラツとして、術後、私が上体を起こせなかった(手術部位が頸部なので力が入れられない)ときに手助けしてくれたり、精神的にも励まされました。
「悪いところを切って治す」という、外科治療の不思議を体験した15日間。麻酔から醒めるのが遅く、切除部分を自分で確認できなかったのは残念ですが、手術時に付き添っていた人は、「レバーみたいだった」。
術後2日目には膀胱カテーテルを抜いて、鎖骨下から出ている排液用のドレーンや容器をつけたまま、トイレや売店へ。他の患者さんのお見舞いの人がギョッとして、「輸血してるんですか?」「いえ、出してるんです」といったやりとりもありました。
甲状腺が1/6になったので、チラーヂンS(甲状腺ホルモン剤)を飲みながら、2ヵ月に1回の通院を続け、術後10年の1996年には「もう、再発はないだろう」と言われました。
「一生飲み続けないといけない」といわれたこの薬は、その後、しばらく飲み忘れた期間があって(よい子の皆さんはマネしないでね)、検査したら、正常値のホルモンが分泌されてるのがわかったので、現在は飲んでません。
2.1987年4月4日~5月2日(29日間)
上の入院から5ヵ月後、腎臓と甲状腺を中心に検査入院。このときも私が最年少で、重症筋無力症の20代のお姉さん、腎不全で腕にシャント(透析用の血管)を作る手術を受ける40代のお母さん、糖尿病のおばあさんと一緒でした。
重症筋無力症の人は、初めて身近に接した難病の患者さんで、よく話かけられました。
「たぶん復職しないけど、休職中も少し給料が出るから、まだ籍は置いてる」とか、「プレドニン飲む前は、こんな顔じゃなかったよ」とか、「最初、まぶたが下がってきて、おかしいと思ったんだよね」とか。
ステロイドの服用でムーンフェイスになり、毛深くなっていた彼女は、その部屋では一番の先輩で、誰か(お見舞いの人や私)と話してないときは、ワイドショーや雑誌を見て笑ってました。
気になったのは、ふさぎがちだった腎不全のお母さんですが、シャントの手術の日に中学生の娘さんが泣いていたり、透析後のぐったりした様子を目にしては、後学のために聞きたいことも聞けず。「これからは元の病院で透析するから」と、先に退院されました。
糖尿病のおばあさんは、足が弱く、認知症ぎみだったので、ベッドの横でポータブルトイレを使用。初めのうちは、音やニオイがして参りましたが、それも日常化すると慣れてきました。
同じ階では、大人用おむつをしたおじいさんが、他の病室を徘徊したり、廊下で排尿しようとして連れ戻されたり・・・ということもあり、人は「おむつ→おまる→トイレ→おまる→おむつ」と戻っていくのかと思いました。
入院中の主な検査は、以下のとおり(当時のメモ+記憶)。
- PSP(フェノールスルフォンフタレイン)試験
8:30に水500mlを飲み、9:00にPSPを静注。9:15、9:30、10:00、11:00の4回採尿して、PSPの排泄状況から腎機能を調べる。 - 腎エコー
- 骨RI検査
10:00にRI(Radio Isotope)の検査薬を静注。13:00から放射線を撮るシンチカメラで骨を撮影。記念にもらいたいカワイイ全身骨格の写真でした。 - 腎生検
14:30に麻酔前の注射。15:30から病室のベッドで伏臥位になり、エコーで腎臓の位置を確認。局所麻酔の後、腰から左右の腎臓に太い生検針を刺したり抜いたりして組織を採取(計6回)。予想外の痛さに、声と涙と脂汗が出ました(T_T)
終わると、背中に止血用のおもりをのせられ、そのまま2時間の伏臥位。その後は丸1日仰臥位で動かないように言われ、食事も排尿も寝たままという苦行。「トイレじゃない場所で」というのは、体勢がつらいというより、意識のうえでしづらいものだと思いました。 - 甲状腺RI検査
9:00にヨードカプセルを飲み、11:30、15:00、翌日9:00、11:30に撮影。 - 甲状腺CT
- 24時間クレアチニンクリアランス
トイレで24時間蓄尿し、採血。尿量、尿中クレアチニン濃度、血清クレアチニン値から腎機能をみる。 - 腎臓CT
- 甲状腺エコー
- 全身シンチグラム
- フィッシュバーグ濃縮試験
前夜から水分制限、乾燥食。6:00、7:00、8:00に採尿し、濃縮能をみる。 - 腎盂造影
造影剤を点滴し、腎臓から腎盂や尿管に排泄される状況を数回撮影。外来でもやりましたが、造影剤で体が熱くなり、口の中が吐く前のような気持ち悪い感じ。
この入院でついた診断がIgA腎症。20~30年で40~50%の人に透析が必要になるといわれますが、私も来年で20年選手の仲間入り。
19年前の腎生検があんまり痛かったので、またするのは嫌だし、扁桃摘出も術後が痛そうだし、ステロイドで気持ち悪くなるのも、顔が変わるのも嫌だけど、先日病院で言われた「扁桃摘出+ステロイドパルス療法」、したほうがいいのかなあ・・・。
ミントの闘病中、できるかぎりの適切な治療をしてあげたいと思ったし、パセリについてもそれは同じ。自分のことは等閑しがちだけど、パセリのごはんを用意(処方食を計量)しながら、そういえばここ3年半くらい入院からご無沙汰してるな~と思ったりしました。
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