大学と事件
男女問題のもつれに端を発したといわれる集団暴行・生き埋め事件。
テレビを見ていたら、被害者1名と容疑者1名が在学し、暴行に加わったとされる2名が卒業した東大阪大学・同短期大学部の学長が、記者会見なさってました。
「ささいなトラブルをはるかに通り越し、とんでもない結果になった。大変申し訳ない」、「人を育てるのが目的のこども学部の学生が、事件にかかわったことは大変残念。人の命の大切さを教える教育を進めていきたい」といった内容だったので、どんな大学だろうと思って検索、公式サイトにアクセスしてみました。
東大阪大学・東大阪大学短期大学部は、「学問を通して人間をつくる教育」という基本方針のもと、時代に即応・先取りする充実した教育・研究をおこなっています。また、子どもの豊かな成長を専門的な立場からサポートできる人材を育てることを目標とした・・・
検索結果の画面にはこういう文があったのに、トップページが「学長の緊急コメント」(6月26日付)に置き換えられ、それ以外のページへのリンクはなし。
大学で起こる事件としてはもはやお馴染みの、セクハラ、研究費不正受給、論文データ捏造とは違う殺人事件という状況を受けて、学生募集や広報どころじゃないと引っ込めたのか、急いでアップしたために間違ったのか、あったはずのページは閲覧不能の状態でした。
時系列的には、このコメントをアップした後に記者会見を行ったようですが、こういうときだからこそ「人を育てるのが目的のこども学部」の内容について見せてほしい、身近で起こった事件、実習や就活を前に動揺しているだろう学生に「君たちは我々が守る」という姿勢を見せてほしいと思うのですが・・・。
リクルート進学ネットによると、この大学の第1回オープンキャンパスは7月1日(土)。全国で唯一の「こども学部」とはいえ、保育士資格、幼稚園・小学校教諭免許が取れる大学は京阪神には山ほどあるし、まして2003年度開学の新設大学(短期大学部の前身は1965年開学)。
少子化による18歳人口減少で短大の存続が厳しくなるなか、大学を新設した数多い学校法人の1つなのでしょうが、それを追うかっこうで格差拡大が顕在化し、生き残り戦略としては、大学への完全移行ではない大学・短大の併設も、ある意味、先見性があったかのようなご時勢に、この事件。
子ども学部1期生である4年生は、これから公・私立の採用試験を受けるはずで、その成果をもとに大学としてはさらに学生募集を・・・といった段取りだったと思うので、大学側のショックも大きいでしょうが、学生をどう支援するか、受験生にどういう姿勢で臨むか、気になるところです。
危機管理がヘタな大学、危機管理の意味を勘違いしてる大学、多いみたいだから。
その後、ホームページは元通りに。
第1回オープンキャンパスは中止になりました。
コメント
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最後の方、痛烈っす!昨日、この事件や大学云々とは関係なく、ふと気になったので「ものつくり大学」のサイト捜して見にいきました。まだあるのかなと思ったんですが、まだありました。
>「君たちは我々が守る」という姿勢を
このカンジが好きなあの人、元気かなー、なかなか会いにいけないんで・・・まさかそこの学生たちを守るべく、さっそく東大阪にとんでやしないでしょうな~
投稿: 壱景 | 2006年6月29日 (木) 08:49
壱景さんが会いたい顔の黒い「あの人」、どこにどう飛んでるか私も知りません。
そんなに会いたいなら、飲み会でも企画してくださいませ。
ブログ組4名+こっそり閲覧組3~4名ってメンツで(^_^.)
投稿: まちこ | 2006年6月30日 (金) 12:55