三度のメシよりネコ命?
まだ始めたばかりなのに、壱景さんのブログでリンクに加えてくださったので(「まちこ 三度のメシよりネコ命!」というのが当ブログ)、相互リンクさせていただきました。
三度のメシよりネコ命? まあ、確かにそうだけど・・・。
同じ「メシ」でも、自分が食べるものは、歩いて3分のスーパーで買うか職場の食堂で用は足りますが、ネコが食べるものは、スーパーで売ってないものをネット通販で購入しています。
現在、パセリが食べているのは、ウォルサム「腎臓サポート」、ヒルズの「k/d」、「サイエンスダイエット【プロ】シニア」を20g:10g:5gの割合で混合したもの(1日分)。
前2つは腎疾患用の療法食、3つめは一般食で、病院で血液検査をしてもらう際も、Cre(クレアチニン)とBUN(尿素窒素)は要チェック。昨年3月はCre1.6、BUN30.6、今年3月はCre2.0、BUN25.8(単位:㎎/㎗)と、年齢的には正常値の上限前後を維持しています。
大好きなおやつ(花かつお、無塩煮干、焼き海苔)は、栄養バランスの点ではよくないのですが、小さい頃から食が細いので食欲増進とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を考えて、ほんの少しだけ。室内で栽培しているネコ草(燕麦)も、よく食べます。
それにつけても、昔のイヌやネコは、人間の食べるものを食べ、寿命も短かったことをときどき考えます。私が小学1年のとき、下校時に連れ帰ったイヌ(「小路」という名前)は、外飼いで、人間の食事の中から母が見つくろったもの(残り物など)を食べてました。小鳥や金魚には、専用のエサをあげていたのに・・・。
近所の裕福な友達の家には、名犬ラッシーのようなコリーがいて、国産ドッグフード第1号の「ビタワン」を食べてましたが、イヌの体についての知識も、貯金もない子どもだった私には、大好きな小路にドッグフードを買うという発想はありませんでした。
中学1年のときに小路を亡くした後、ハムスター、ウサギ、モルモットを飼ったときは、必然的に専用フード、大人になってネコと暮らすようになってからは、初めからキャットフード。このときは、人間の食事を分け与えるという発想はありませんでした。
思えば、この間にイヌやネコにペットフードを与える家庭が一般的になり、飼養環境も衛生的に、獣医療も進歩して20年前には7~8歳といわれた飼いイヌ、ネコの平均寿命も2倍近くまで延びたわけです。20歳(人間で95歳相当)前後の大往生を遂げるイヌやネコも、そう珍しくはなくなりました。
昨年2月、当時10歳9ヵ月だったミントが入院していた動物病院でも、途中、19歳のタマちゃんというネコが斜向かいの透明ケージに入院し、退院していきました。
タマちゃんの飼い主さんはご高齢のおばあちゃんでお見舞いに来られず、病院の看護師さんは「ミンちゃんはいいねえ、毎日来てもらって。タマちゃんが羨ましがってるよ」と言ってましたが、タマちゃんのご長寿にあやかれなかった飼い主の不徳は、悔やんでも悔やみきれません。
亡くなる前年、動物病院で「肥満は万病のもと」と指摘されたミントは、それ以来、ウォルサム「減量サポート」を喜んで食べてましたが、もっと早く一般食から切り替えていれば・・・。
その反省は、年齢的に腎機能低下が懸念されるパセリの食餌を考え直し、数種類の腎疾患用フードを試したすえ、「腎臓サポート」と「k/d」のどちらかをメインに、飽きてきたら混合する割合を切り替える・・・という現在にいかされてはいますが・・・。
ところで、いま読んでいる『苦海浄土』。
水俣病の公式発見から50年目の今年5月、何度目かの読み直しをしています。「第三章 ゆき女きき書き」には、この章の中心人物である40代前半の女性ゆきの発病前の状況を語るなかに、こういうくだりがあります。
猫たちの妙な死に方がはじまっていた。部落中の猫たちが死にたえて、いくら町あたりからもらってきて、魚をやって養いをよくしても、あの踊りをやりだしたら必ず死ぬ。
猫たちの死に引き続いて、あの「ヨイヨイ」に似た病人が、一軒おきくらいにひそかにできていた。(略)
猫のいなくなった部落の家々に鼠がふえた。
「第四章 天の魚」では、胎児性水俣病の杢太郎少年の祖父が、次のように語っています。
あねさん、魚は天のくれらすもんでござす。天のくれらすもんを、ただで、わが要ると思うしことって、その日を暮らす。
これより上の栄華のどこにゆけばあろうかい。
ネズミを獲って食べ、人間にとって「これより上の栄華」はない「無塩の魚」を分け与えられ、幸せに暮らしていたはずのネコたちの水俣病。
傍で眠るパセリにときどき目をやりながら、今年もまた、「苦海」という現実から幻視された「浄土」、「じゃなかしゃば」(・・・じゃない世の中、オルターナティブな社会)の意味を考えているところです。
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